急死につながる危険性もある「心不全」。夜寝ると咳(せき)が出るなど、少し意外な症状がサインとなることもあります。どのような症状が起きるのか、進行度に応じたサインを知り、気になる場合は医療機関を受診しましょう。主なサインとなる症状と、心不全の検査についてまとめました。

<心不全の主なサイン>
- 階段を上るのがつらくなってきた
- 夜、寝るとせきが出る
- 夜、寝苦しくなって目が覚める
- 横になると息苦しくて、起きていると少し楽になる
- 足や顔のむくみが強くなってきた
心不全の初期には、階段や坂道を上ったり、重いものを持ったりすると息切れが激しくなります。心不全が進行すると、仰向けに寝ると咳が続いたり、突然、息苦しくなって目が覚めたりするようになります。起き上がっても回復するまでには、しばらく時間がかかります。
さらに症状が進むと、横になると息苦しくなり、体を起こすと少し楽になります。横になった体勢では、重力の影響で心臓に血液がたくさん戻ってきます。正常な心臓であれば問題なく対応できますが、弱った心臓の場合それに対応できなくなってきます。そして、寝入ることによって心臓を休める神経が働き、ただでさえ対応できない心臓が休まってしまうことでさらに対応が難しくなり、寝てから1、2時間くらいして息苦しさを感じて起きてしまうといった症状に見舞われます。

また、足や顔のむくみといった症状が見られることもあります。心臓の機能が落ちて血液のめぐりが悪くなり、全身から心臓に血液が戻りにくくなる「うっ血」によって起こります。さらには腸や胃にもむくみが出て、食後におなかが張る、食欲が落ちるといった症状が出ます。心臓の機能低下がさらに進行すると、だるさ、疲れやすさ、倦怠感といった症状に進展していくといわれています。
症状があった場合、何科を受診すべき?
息切れ、むくみ、だるさがある場合は心臓を専門とする循環器内科を受診します。
息切れが強い場合は肺の病気の可能性もあるため呼吸器内科への受診、むくみが強い場合は腎臓の病気の可能性もあるため腎臓内科への受診がすすめられます。