詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年6月号に詳しく掲載されています。

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心不全では心臓の働きとともに身体機能が低下していきます。上はそれを模式的に示したグラフです。身体機能は最初ゆっくり低下していきます。やがて呼吸困難などの激しい症状が起こり心不全を発症します。多くはいったん回復しますが、再び症状を繰り返し、身体機能はさらに低下していきます。また、途中で急に悪化して突然死することも珍しくありません。
2018年に公表された『急性・慢性心不全診療ガイドライン』では、心不全に4つのステージが新たに定められました。身体機能低下のグラフと合わせて上に示します。ステージAは心不全の危険因子を抱えている段階です。ステージBは心臓の働きに異常が現れてきた段階です。ステージCは息切れやむくみといった心不全の症状が現れてきた段階です。ステージDは心不全が進行して治療が難しくなった段階です。
ステージAを詳しく見てみましょう。ステージAは高血圧、糖尿病など将来の心不全につながる危険因子を抱えている段階です。それによる動脈硬化が起こっていることもあります。しかし、まだ心臓の働きに異常は見られず、心不全の症状も現れていません。
ステージBを詳しく見てみましょう。ステージBは心臓の働きの異常、つまり心肥大や心拍出量の低下などが現れてきた段階です。心不全の直接の原因になる心筋梗塞、弁膜症、心筋症、不整脈を発症している場合もステージBです。これらを放置すると、ついに心不全の症状が現れてステージCに進行してしまいます。
4つのステージと身体機能の低下をもう一度合わせて見てみましょう。一般に心不全は息切れやむくみなどの症状が現れたときを発症とみなします。したがって、心不全と診断された人は、すでにステージCなのです。
ステージAやステージBは心不全を発症する前の予備群とも言えます。そして、心不全の対策はステージCからではなくステージAやステージBから開始することが大切になります。
詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2019年6月号に詳しく掲載されています。