【被災地の声】能登町の30代男性 2次避難「断念せざるをえない」
- 2024年01月27日
石川県は災害関連死を防ぐとともに、当面の落ち着いた生活環境を確保するため、住民に被災地以外の避難所に移ってもらう「2次避難」を進めています。
ところが、2次避難所への移動を希望しても断念せざるをえなかったり、いったん移ったたものの元の避難所に戻ったりする被災者がいます。
2次避難を断念せざるをえないと話す、能登町の30代の男性の声です。
能登町 2次避難を希望したものの
能登町の30代の男性は、地震で夫婦2人で暮らす自宅が半壊しました。
最初の数日は車中などで過ごしましたが、今は近くの小学校の避難所に身を寄せています。
避難所では炊き出しなどで食事は3食、提供されていますが、断水が続いて衛生環境に不安があり、プライバシーも限られています。
1月23日、県のコールセンターに相談しました。妻と共にホテルなどの2次避難所への移動を希望することにしたのです。
しかし、県からの説明は、次のようなものだったといいます。
「食事を提供できる施設はなく、施設によっては駐車場代も自己負担になる」
「断念せざるをえない」
男性は持病があるため病院に通うことが欠かせません。
また、職場は珠洲市にあります。
通院と通勤ができる範囲で2次避難したいという希望を伝え、現在、県からの返答を待っています。
それでも、食事や駐車場などにかかる費用を考えると、2次避難所に移動することを断念せざるえないと考えているといいます。
能登町の30代の男性
「食事の提供があると考えていたので、通勤や通院など生活できる範囲での2次避難を申し込みました。先が見えない、いつまで避難生活が続くか分からないとなると、生活再建のために費用面などを抑えておきたいです」
「2次避難所に行ったとしても食事のある1次避難所に戻りたいとなったときに、仮に一度出たら戻れないとなったとしたらどうしようと不安が先に出てくる。2次避難所の情報が不足しているので、飛び込むのが非常に怖くて、やはり断念せざるをえないなという心境です」
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