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【被災地の声】石川県津幡町 金田博之さん 「家の前が崖に」

  • 2024年01月24日

2024年1月1日に発生した、石川県能登半島地震。

疲れが出て体調が悪化する人や、避難生活の中で亡くなる人も相次いでいます。

そんな大変な状況の中で取材にこたえてくださった被災者の方たちがいます。

大規模な被害を受けた能登半島からは少し離れた津幡町の金田博之さんの声です。

家の前の道路がない

石川県津幡町の金田博之さん(61)は、町の福祉センターで避難生活を続けています。

1月1日、金田さんは金沢市内で仕事をしている時に被災しました。

急いで津幡町まで帰り、一緒に暮らしている父と弟、娘と合流し、避難所になっている町役場で一夜を明かしました。

翌2日、自宅の様子を見に行った時、思わず息をのみました。

「道路が、ない」

自宅前の道路 右側手前が金田さんの自宅

沈みかけていた道路が、そのまま崩れ落ち、崖のようになっていたのです。

金田博之さん
「揺れた瞬間は亀裂が入っていたくらいだったそうですが、その後の余震などで崩れたのでしょう」

自宅に戻れず先が見通せず

道路のへりは、さらに下がり続けているように感じたといいます。不安は的中し、数日後、残っていた道路が崩落。

崩壊した自宅前の道路

金田さんが撮影した画像では、ドアの前がすぐに崖のようになっているのがわかります。

自宅は避難指示が出ていて、帰ることはできません。

今後、支援を受けるため、り災証明書をもらおうとしましたが、町役場の担当からは。

「現在進行形で、地盤が下がり続けて被害がどこまで拡大するかわからないので、もう少し待ってほしい」

もう一度、自宅で暮らせる日が来ることを望んでいますが、見通しは立っていません。

現在は、みなし仮設住宅への入居を希望し、手続きを進めています。

自宅は5年前に購入したばかりで、高齢の親のためにバリアフリーに改築しました。

ローンもまだ20年ほど残っています。

金田さん
「道路を直してもらうにも、役場の担当者の言い方だと1年以上はかかる。ローン支払いなどもあるし、みなし仮設住宅に住むためのものをそろえないといけない。いったいどのぐらいかかるのか。お金ないからどうするんかって話ですよね」

局地的な被害…複雑な思いも

人口約3万7000人の津幡町では、今回の地震で1人がけが、住宅975件に被害が出ました。(1月20日現在)

避難指示が出ているのは1月22日現在で20世帯で、28人が避難生活を続けています。

避難所の様子

金田さんは大きな被害が出た能登半島に親戚もいて、多くの人が大変な思いをしていることに心を痛めています。

一方で、局地的な被害となった地域の情報が正しく伝わらないことに、もどかしさを感じることがあると言います。

金田さん
「今、津幡町では、ほとんどの人が普通に生活している。周りは普通なのに、しんどいなっていう感じですよね。奥能登に比べればライフラインは無事なので、何も言うことはできないと感じています。ただ、なんかなあと、さみしいものがある。能登がクローズアップされているので、それ以外は静かなのかなと思われているかもしれないけども『そうじゃないよ』と」

※NHKの情報提供窓口「ニュースポスト」に寄せられた声をもとに取材しました。

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