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【被災地の声】珠洲市野々江町 山下美恵子さん「命があってこうしていられるだけでも…」

  • 2024年01月19日

2024年1月1日に発生した、石川県能登半島地震。

疲れが出て体調が悪化する人や、避難生活の中で亡くなる人も相次いでいます。

そんな大変な状況の中で取材にこたえてくださった被災者の方たちがいます。

珠洲市野々江町の山下美恵子さんの声です。

「めまいがするような傾き」

また、同じ珠洲市野々江町の山下一二さん(84)と妻の美恵子さん(79)も娘と3人で、被災した自宅で生活しています。

地震が発生した今月1日は自宅周辺にも津波が到達する可能性があるということで、近くの避難所に泊まりました。

しかし、停電や断水が続く中、衛生環境も心配で次の日には自宅に戻ったということです。

自宅は傾いたり外壁がはがれるといった被害を受けています。

「ひどいですよ。戸がこうして折れて、はずれて立てられない状態です。床も下がっているところと上がっているところがあって、座っていてもめまいがするような傾いている状態なんです。でもまだしばらく座っておれるだけでもいいかなと思ってます」(山下美恵子さん)

しばらくは車中泊を続けたものの寒さで眠れず、現在は、被災した自宅の中のスペースが確保できる部屋に家族3人で布団を敷いて寝ているということです。

断水で水が使えず、風呂に入れないことが一番の悩みだということです。

「命があってこうしていられるだけでも」

自宅での避難生活が続く中、相次ぐ余震に不安を感じています。

「私らはまだ命があって、こうしておれるだけでもいいのかなと、いいように解釈して暮らさないとと思っております。今度大きい地震が来たらもうこの家だめだなと思っていますが、迷惑もかけたくないし、この先はこの家が崩れるまで自分たちができるだけのことをして、ここにいようと思っています」(山下美恵子さん)

被災地ではこうした「在宅避難者」が各地にいるとみられますが、石川県や被災した自治体では、在宅避難をしている人たちの状況把握や調査は進んでいません。

今後、ますます寒さが厳しくなる中、こうした避難者の健康管理なども課題となっています。

被災地の状況について、こちらから情報をお寄せください

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