シア側に押収された
衛星携帯の返却を」官房長官

航空機による北方領土への墓参団が、22日、国後島で入域手続きを行った際、ロシア側が政府関係者らが持参した衛星携帯電話を没収したことから、日本は外交ルートを通じてロシア側に抗議しました。

去年から始まった航空機による北方領土への墓参がことしも行われ、元島民ら70人は22日から2日間の日程で、国後島と択捉島を訪れ、墓地で慰霊式を行いました。

外務省によりますと、一行が22日、国後島の空港で入域手続きを行った際、同行していた外務省と内閣府の担当者それに報道関係者が持参した衛星携帯電話について、ロシアの当局者が「事前に登録されていない」などとして、その場で没収したということです。

これによって一行は足止めとなり、その後、墓地での慰霊式などの予定に支障が出たということです。

今回のロシア側の対応について外務省は「北方領土は日本固有の領土であり、没収は受け入れられない」などとしてモスクワの日本大使館を通じてロシア政府に抗議し、衛星携帯電話の返却を求めました。

墓参団の一行を乗せたチャーター機は、23日午前11時55分すぎ国後島の空港から中標津空港に到着しました。

これについて菅官房長官は23日午前の記者会見で「こうした行為はわが国の法的立場において受け入れられず遺憾だ。ロシア側に抗議するとともに押収された衛星携帯の早期返却を求める」と述べ、不快感を示しました。