自民党新総裁に菅氏選出
各界の反応は

安倍総理大臣の後任を選ぶ自民党の総裁選挙で、菅官房長官が新しい総裁に選出されたことについて、各界の反応です。

飯塚繁雄さん「一刻も早く具体的に手をつけて」

菅官房長官が自民党の新しい総裁に選出されたことを受けて、北朝鮮による拉致被害者の家族会代表で、田口八重子さんの兄の飯塚繁雄さん(82)は、「安倍政権の時に解決することを希望し、期待して見守ってきたので辞任は残念だが、拉致問題は消えてなくなるものではない。新総裁にはこの問題が先に進むように、一刻も早く具体的に手をつけて頂きたい。肉親の帰国を長い間待ち焦がれ待っている間に亡くなる家族もいる。一刻も早く、絶対に進めてほしい」とコメントしています。

横田早紀江さん「拉致問題 進展の成果を見せて」

横田めぐみさんの母親の早紀江さん(84)は「拉致問題に心を込めて外交を展開した安倍総理大臣と一緒にやってきた菅さんが選ばれたことはよかったと思う。簡単に連れ戻せないことは身にしみてわかっているが、早くしてもらわないと私たち家族は弱ってしまう。知恵を出し合って行動に移し、拉致問題が進展したという成果を見せてほしい」と話しました。

経団連 中西会長「新しい経済社会を切り開くことを期待」

経団連の中西会長はコメントを発表し、「菅氏は、豊富な経験に裏打ちされた卓越した政策手腕と幅広い調整能力を兼ね備えた政治家だ」と高く評価しています。

そのうえで、「新型コロナウイルスの感染再拡大の防止と、経済の早期回復との両立に取り組むとともに、デジタル化をはじめとする大胆な成長戦略を強力に実行し、ポストコロナ時代の新しい経済社会を切り開くことを期待したい。経済界としても日本経済の回復に総力を尽くしたい」として、引き続き、政府与党と連携していく考えを強調しました。

日商 三村会頭「長期政権を支えてきた手腕に期待」

日本商工会議所の三村会頭は「国政の難しい舵取りを迫られる局面において、政治の安定性と政策の継続性は何より重要で、これまで官房長官として長期政権を支えてきたその手腕に大いに期待している」としています。

そのうえで「感染拡大の防止と経済再生との両立が最優先の課題なのは言うまでもなく、その成否はわが国の将来を方向付けるものとなる。内政、外交ともにしっかりとした新体制を築くとともに、アフターコロナを見据えて国民が明るい展望を持てるよう強いリーダーシップで国政をけん引して欲しい」とするコメントを発表しました。

東京都 小池知事「意見の相違があるとは思っていない」

東京都の小池知事は都庁で記者団に対し、「新型コロナウイルス対策やオリンピック・パラリンピックは、官房長官のときからずっと担当していることばかりであり、国益にも資することなので、引き続き国と都が連携しながら成功を目指していきたい」と述べました。

そのうえで、大会の1年延期を決めた安倍総理大臣とIOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長との電話会談に菅新総裁が官房長官として同席していたことに触れ、「流れや課題をすべて知っているので、大会開催に向けての協力や連携をお願いしていきたい」と述べました。

一方で、記者団が「都庁内では新型コロナウイルス対策などをめぐって菅氏と意見の相違が見られ、『しっかり連携できるのか』いう懸念の声も出ているが」と質問したのに対し、小池知事は「意見の相違があるとは思っていない。連携を深めることは都民の健康と経済の活性化の両面から必要なことだと考えている」と述べました。

沖縄県 玉城知事「沖縄が抱える問題に真摯に向き合って」

沖縄県の玉城知事は記者会見で、「心よりお喜びを申しあげたい。政府の要職を歴任し、政策にも精通していて、大きな期待が寄せられたうえでの総裁への選出であろう」と述べました。

そのうえで「これまで基地負担軽減担当として、沖縄における基地負担の軽減にしっかりと取り組んできたという自負をお持ちだと思う。これからも現実的な基地負担の軽減に努めていただくとともに、かねてからの懸念であるアメリカ軍普天間基地の危険性の除去と辺野古新基地建設問題など、われわれ沖縄県が抱える問題に真摯(しんし)に向き合っていただき、対話によって解決する場を作ることに積極的にご尽力をいただければと思う」と述べました。

さらに「新型コロナウイルスにより、いま大きな影響を受けている国民の生活、経済、教育、医療といった様々な分野においてしっかりと取り組んでいただきたい」と述べました。