流新党代表選
泉氏と枝野氏が会見

立憲民主党と国民民主党などの合流新党の代表選挙に立候補した国民民主党の泉政務調査会長と立憲民主党の枝野代表は、そろって記者会見に臨み、党運営への考え方や政策を訴えました。

立憲民主党と国民民主党などの合流新党の代表選挙は、7日告示され、届け出順に、国民民主党の泉政務調査会長と立憲民主党の枝野代表が立候補し、7日午後、国会内でそろって記者会見に臨みました。

冒頭、泉氏は「多くの国民の期待と声を背負って政権与党に対じしていくため、先頭に立つ決意だ。本格的な野党、国民から愛され、信頼される野党、追及や批判だけではなく、政策を伝えられる野党を目指していく」と述べました。

枝野氏は「野党結集が長期政権の終わりとほぼ一緒というのは、ある意味で時代の要請だ。ともに集うすべての皆さんが持ち味をいかし、最大限の力を発揮できるよう、女性、若手、ベテランまで世代やジェンダーを超えて活躍できる党運営を行っていく」と述べました。

アベノミクスに代わる経済政策

いわゆる「アベノミクス」に代わる経済政策について、泉氏は「アベノミクスは、国民には行き届かず、国民生活を底上げする施策に集中的に取り組んでいく必要がある。消費税減税などで可処分所得を増やさないといけない」と述べました。

枝野氏は「アベノミクスはカンフル剤にすぎず、潜在的な需要が落ち込んでいる。医療、子育て、処遇を改善して格差や将来不安を小さくすることで、需要が回復していく」消費税と述べました。

消費税

消費税について、泉氏は「物価の上昇率が2%に達するまでは、一時的に0%にすべきだ。これだけ未曽有の国難で『コロナ債』という考え方もあり、超長期国債も含めて財源を用意する必要がある」と述べました。

枝野氏は「税の体系全体がゆがんで、消費が冷え込んでおり、全体の見直しが喫緊の課題で、その中に消費税がある。富裕層の直接税が少なくなり、逆進性の強い間接税が増えているので、是正して再分配機能を取り戻したい」と述べました。

今後の野党の連携の在り方

今後の野党の連携の在り方について、泉氏は「選挙区の構図によって一致結束して戦う場合と、それぞれで戦う場合がある。できるかぎり国民にとって分かりやすく、選びやすい環境を見定めて、協力関係の構築をしたい」と述べました。

枝野氏は「各党や各政治勢力と相談していきたい。大きな方向としては、目の前の生活に困っている人の声に応える政治をしようという思いで、共通する人とはできるかぎりの連携をしたい」と述べました。
一方、今回の代表選挙が国会議員による投票のみで行われることについて、泉氏が「党員なども含めて行うのが本来であり、次の衆議院選挙のあと、速やかに再び代表選挙を行うべきだ」と述べたのに対し、枝野氏も「当然のことだと思うが、党員の制度が両党で違っており、体制の整備をし、いちばん早い時期にやったらよいと思う」と述べました。

泉氏 合流する議員の事務所訪ね支持呼びかけ

泉氏は、合流新党に参加するすべての国会議員の事務所を個別に訪ね、支持を呼びかけました。

泉氏は、みずからが掲げる政策などをまとめた資料を配りながら、「党改革を進め、一緒にいい政党を作っていきましょう」などと話していました。

このあと、泉氏は、記者団に対し、「民主的で風通しのよい、信頼される野党第1党を作るという思いを改めて共有したいと考え、一人ひとり回って支持を訴えた。『飛び込む、語る、受け止める』というのが私の政治姿勢であり、これからもどんどん歩いて訴えていきたい」と述べました。

枝野氏 陣営の決起集会に出席

枝野氏は、国会内で開かれたみずからの陣営の決起集会に出席し、立憲民主党や国民民主党などの60人余りの議員を前にあいさつしました。

この中で、枝野氏は「合流には、私自身、葛藤やためらいもあったが、3年、5年、10年、地道に積み重ねて政権を倒すということでは許されない日本の状況を感じ、前に進めた。この合流は、ゴールではなく、スタートだ」と述べました。

そのうえで、枝野氏は「一日も早く、自公政権を倒さなければならない。この代表選挙の先にある政権選択選挙を視野に入れ、有権者、国民に訴えかける選挙戦にするつもりだ。勝ち抜くために全身全霊をかける」と述べました。