爆ドームの保存事業
入札不調で来年度以降に

世界遺産に登録されている広島市の原爆ドームについて、市は老朽化が進んでいるため、今年度から本格的な保存事業を始める予定でしたが、入札が不調に終わり、来年度以降に延期されることになりました。市は、建設業界の人手不足も要因の1つではないかとしています。

広島市の原爆ドームは、建築から100年余りが経過し老朽化が進んでいるため、市は今年度、建物の骨組み部分の鉄骨やレンガの壁の補強など、本格的な保存事業を始める予定でした。

しかし先月中旬、文化財の補修工事の実績がある全国の10余りの業者を指名して入札を実施しましたが、応じる業者が1社もなく不調に終わり、事業の開始が延期されることになりました。

市は、延期期間は未定だとしていますが、より多くの業者に参加を促すため、要件を変更したうえで、来年度のできるだけ早い段階で入札を行い、事業に着手したいとしています。

広島県内では、去年7月の西日本豪雨からの復旧工事をめぐっても、建設業界の人手不足を背景に入札不調が相次いでいて、広島市では、今回も人手不足が要因の1つになっているのではないかとしています。