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岡山発 白バイ隊員に聞く!バイク安全運転のポイントは?

NHK岡山「もぎたて!」ゼロへのAction~なくそう交通事故死~
  • 2023年11月27日

令和5年10月下旬、バイクが絡む重大事故が岡山県内で3件相次ぎました。風を切るのが楽しいバイクは、車に比べると危険性が高い乗り物です。安全に乗るためには何を守ればいいのでしょうか。
(岡山放送局 記者 平塚竜河・美濃田和紅)

8日間に3件の死傷事故

令和5年10月21日、備前市閑谷の県道で軽乗用車と正面衝突した大型バイクの61歳の男性が、骨盤骨折や脳出血などの大けがをし、現在(11月16日)も意識不明の状態のままです。
10月27日の夜には岡山市南区の県道で、右折待ちのために止まっていた乗用車に、オートバイが追突して20歳の女性が死亡しました。
その翌日・28日には美作市中川のトンネル内で軽乗用車と衝突した大型バイクの54歳の男性が体を強く打ち死亡しました。

バイクは車に比べると転倒しやすく、覆いがないためライダーの体が無防備となることなどから重大事故につながりやすい乗り物です。警察によりますと、頭や胸を強く打ち死亡するケースが目立つということです。

講習会で運転見直す

こうした事故を防ごうと、初心者や久しぶりにバイクに乗るライダー向けの講習会が、11月5日、岡山市北区の県運転免許センターで開かれました。集まったのは、10代から60代の約40人です。なかには親子で参加した人がいました。

大学生の
息子

バイクの免許を8月に取得。現在3か月目です。乗っていてカーブで追突しそうになることがたまにあるのが不安です。きょうは、こけなければいいです......

51歳の父親

実は息子には乗ってほしくないんですよ、危ないから。でもやっぱり楽しいから、取り上げたらかわいそうかなって思いまして

このように話す父親ですが、久しぶりバイクに乗るようになったので、息子さんを誘っての参加です。

51歳の父親

免許取得は20歳くらいの時です。長い間バイクの楽しさを知らなくて、全然乗っていませんでした。スラロームを上手に曲がれるようになればいいかな

はじめに参加者は、白バイ隊員から▼加速する時は体を前に傾け、▼減速する時は重心を後ろに置いてふんばることなど、バイクに乗るときの基本的な姿勢について説明を受けました。
その後、それぞれの愛車にまたがって講習開始。

「一本橋」をゆっくりした速度で走行
道幅が狭い場所を安定して走る力を試しました
パイロンの間をジグザグに通り抜ける「スラローム」
「走る・曲がる・止まる」の基本的な動作を一連の流れでできるよう練習

結果はどうだったでしょうか。

大学生の
息子

「カーブの先を見て、体を向けていったらよい」ということで、それを意識したら、少し良くなりました

51歳の父親

ふだん右足でついつい地面を踏んでしまう癖があるのですが、「それはよくないよ」って言われて、勉強になりました

県交通安全協会や岡山県警は年に3回程度、初心者や久しぶりにバイクに乗るライダー向けに、こうした講習会を開いて安全運転を呼びかけています。

県警察本部
交通企画課
今西信行
課長補佐

この講習で、基本的な技術を身につけ、危険を予測しながら運転することで、交通事故の防止につなげてほしい

白バイ隊員に学ぶ!

(左)白バイ歴 半年 太田万琳 巡査
(右)白バイ歴 4年目 多田一朗 巡査長

交通違反の取締りや広報啓発の活動にあたる岡山県警察本部交通機動隊の白バイ隊員2人に、安全運転のポイントを聞きました。

◆1つ目が「安全なヘルメットの選択と着用」

大切なのは基準を満たしたヘルメットをかぶること。国の安全基準を満たしていることを示す「PSCマーク」や、高い品質の工業製品の証明である「JISマーク」が付いたものを選びましょう。その上で、あごひもをしっかり留めることを意識し、ヘルメットをかぶったあと前後にずれることがないかの確認が大切だということです。

◆2つ目が「プロテクターの着用」

バイクには肌の露出がなるべく少ない格好で乗り、プロテクターを身につけましょう。
警察庁によりますと、高速道路で発生したバイクの死亡事故のうち、プロテクターをつけていないと致死率が1.6倍になるということです。万が一の際、けがを小さくします。

◆3つ目が「正しい運転姿勢」

乗車位置は車種にもよりますが、前後どちらかに偏ることなく、タンクとこぶし1つ分をあけることを意識します。それにより肘が伸びきらず、とっさの対応をする際に柔軟にハンドルを傾けることができるようになるということです。そして走行中はつま先を広げず、しっかりと脚でタンクを挟みます。下半身でバランスをとることが大切だということです。

県警察本部
交通機動隊
太田万琳
巡査

バイクは車と違って体1つで乗るので、事故を起こした際に大けがにつながりやすいです。ヘルメットやプロテクターを正しく着用してもらうことが、非常に重要です。バイクに乗る際は左右の安全確認をして、危険があれば止まることを意識して、楽しんで乗ってほしい

“かもしれない運転”が事故を防ぐ

運転技術を確認すると共に、危険を予測しながら運転する「かもしれない運転」が、バイク事故を防ぎます。安全な装備を身につけ、正しい姿勢で乗ることも重要です。
バイクはスピードの出やすい乗り物。警察によりますと、時速60キロのスピードでぶつかると、ビルの5階から落ちた衝撃とほぼ同じということです。道路標識や速度計をきちんと確認し、スピードを出し過ぎないよう注意してほしいとしています。

  • 平塚竜河

    NHK岡山放送局 記者

    平塚竜河

    2020年入局
    この夏に奈良から岡山へ
    バイクの大型免許を持っています
    大学はバイク通学 でも今は乗っていません

  • 美濃田和紅

    NHK岡山放送局 記者

    美濃田和紅

    2022年入局
    岡山出身・交通問題を取材
    バイクの免許取得に興味津々

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