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岡山発 “薄暮・夜間”の交通事故にご用心!反射材の着用を!

NHK岡山「もぎたて!」ゼロへのAction~なくそう交通事故死~
  • 2023年11月17日

日没前後1時間を表す「薄暮」という言葉をご存じでしょうか。どんどん日没の時間が早まるこれからの季節は、薄暮と夜間の死亡事故が増加するというデータがあるんです。
交通事故をどうやって防げばよいのでしょうか。歩行者・ドライバー各視点から解説します。
(岡山放送局記者 平塚竜河 美濃田和紅)

最多は10月 夜間・薄暮の死亡事故

警察のまとめによりますと、去年までの10年間、県内で「薄暮・夜間」に発生した死亡事故は422件でした。これを月別でみると、最も多かったのが10月です。52件にのぼり、1か月の平均35件と比べると約1.5倍です。この52件をさらに詳しく分析するとある特徴がありました。それが車が人をはねた事故。29件発生していて、そのほとんどが横断歩道で起きていたのです。

ポイントは「目立つ」

どうすればこうした事故を防げるのでしょうか。ポイントは「目立つ」ことです。岡山県警が行った実験で検証します。

こちらは笠岡警察署が夜間に自動車教習所で行った実験です。夜間のドライバーの目線がどのように見えているか調べました。真っ暗な道をゆっくりと車が進んでいきます。

車が進むにつれて、前方にコーンが見えてきました。車のライトで照らしたところ、左側に置かれている白や黄色はよく目立ちます。一方、右側に置かれた青は見づらく、黒は目をこらさないとよくわかりません。夜道を歩く際は、ぜひ明るい色の服を選ぶようにしましょう!

車は原則「ハイビーム」

車のライトは2種類あります。遠くまで照らす「ハイビーム」。対向車がいるときは「ロービーム」を使います。車は「ハイビーム」が原則で、こまめな使い分けが事故を防ぎます。

こちらはゆっくり進む車が「ロービーム」を使い、どのくらい先にいる歩行者を見つけることができるのか、警察が検証しました。

ロービームのまま、車が進んでいくと、前方に白い服を着た人を発見しました。その距離を測ってみると、約17メートルでした。時速40キロで走る車が停止するには、一般的に22メートル必要だと言われています。ロービームで歩行者を見つけたドライバーがブレーキを踏んでも事故は防げません。

歩行者は夜光反射材を

こうしたなか、交通事故を防ぐにはどうすればいいのでしょうか。歩行者が事故に巻き込まれないためできる対策のひとつが「夜光反射材」です。反射材を身につけた歩行者。車のライトで照らしてみると…。なんと、50メートル離れた場所でも、存在を確認することができました!

歩行者のポイントはとにかく目立つこと。全身にLEDライトと夜光反射材を身につけた警察のキャラクター「LEDマン」ほどではなくても、反射材を身につけることで、ドライバーに見つけてもらいやすくなります。

車・歩行者 双方が注意して

ポイントのおさらいです。
歩行者は、黒っぽい服よりも白や黄色など明るい色を着ることで、ドライバーから見つけられやすくなります。反射材・LEDライトは有効です。車は前後左右、どちらか近づいてくるかわかりません。どの方向からも目立つよう、複数を組み合わせましょう。それがあなたの命を守ります!
ドライバーは原則「ハイビーム」でお願いします。対向車がいるときは「ロービーム」を使うなど、こまめな使い分けが大切です。夜間はどこに歩行者がいるかわかりません。慎重な運転を心がけ、速度は落としましょう。

安全運転を心がけて

県内で「薄暮・夜間」に交通事故で死亡した歩行者は去年までの10年間で181人に上ります。このうち、94%の人が夜光反射材を身につけていませんでした。これからの季節、仕事や学校が終わり帰宅する時間が「薄暮」です。歩行者もドライバーも十分気をつけて、安全運転を心がけましょう。

 

  • 平塚竜河

    NHK岡山放送局 記者

    平塚竜河

    2020年入局
    この夏に奈良から岡山へ
    ママカリ初めて食べました

  • 美濃田和紅

    NHK岡山放送局 記者

    美濃田和紅

    2022年入局
    岡山出身・交通問題取材
    最近ママカリ食べていません

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