注目!ドラフト会議#1 北九州下関フェニックス 大江海透
- 2023年10月19日
今月26日に行われるプロ野球ドラフト会議。北九州ゆかりの注目選手をシリーズでお伝えします! 独立リーグ・北九州下関フェニックスの大江海透(おおえ・かいと)投手です。入団2年目の23歳。最速153キロの速球が持ち味で、リリーフを中心に活躍しました。球団として初めてのドラフト指名となるか注目です。
取材 神戸和貴アナウンサー
奪三振能力が向上した剛腕サウスポー!
ーいよいよドラフト会議が近づいてきました。今のお気持ちはどうですか?
この1年ドラフトにかけてきたので、このあとは宮崎県のフェニックスリーグを頑張って…もう待つのみです。今シーズンは自己最速も更新したので、自分の培ってきたものは発揮できたかなと思うんですけど…。でも手応えはちょっとわかんないですね(笑)。
ー持ち味とアピールポイントを教えてください!
最速153キロのまっすぐと、スライダーとフォークは自信がありますね。持ち味としては奪三振能力ですね。
ー今シーズンは去年よりリリーフ登板が多くなり、奪三振の数もかなり増えました。何が良くなったんですか?
※44試合に登板し、78回を投げて90奪三振、防御率2.31
去年は奪三振能力に欠けていたので、NPB(セパ12球団)に行くためになんとか上げたくて。取り組んだのはストレートの使い方と、落ちる球を習得したところが大きいかなと思います。ただ150キロを投げてもあてられてしまうので、高めのまっすぐを見せた後に低めにフォークを投げようとか。簡単なようで難しいので、それができるようになったことですかね。
NPBで活躍した2人から教わった”飛躍のきっかけ”とは?
ーフェニックスには西岡剛(にしおか・つよし/元ロッテほか)選手兼監督をはじめ、NPBで活躍した方も多くいますが、どんな指導を受けましたか?
まっすぐの使い方に関しては、松本直晃(まつもと・なおあき/元西武)コーチに教えてもらいました。西岡監督はメンタル面を指導してくださっていい刺激になりました!監督は意外と真面目で厳しいので、試合でパフォーマンスを発揮するメンタルを鍛えられました。
ー西岡監督のメンタル指導とは?
例えば「この試合はお前のまっすぐをどんどん投げてこい、打たれてもフォアボールを出してもいいからまっすぐを見せてくれ、変化球でかわさなくていいから」とかですね。変化球でかわしにいくメンタルってあるんですよ。でもフォアボールを出しても関係ないから、まっすぐを投げなさいって。そういうメンタルになるとめちゃめちゃ気持ちよく投げられました!
ー結果よりも自分のボールに集中できたという感じですか?
そうですね。ピッチャーってメンタルのスポーツなので、すごく助かりました。自分の好きなピッチャーは松井裕樹(まつい・ゆうき/楽天)投手なんですけど、あの気持ちの強さで9回を投げ抜くメンタルはめちゃくちゃ理想で目標ですね。
ー球速は入団時の138キロから15キロアップしましたが?
去年ピッチングコーチだった寺原隼人(てらはら・はやと/元ソフトバンクほか)さんからウエイトトレーニングの大切さを教わったのがいちばんの要因だと思います。球速も変化球もコントロールも上がったので。
ー寺原さんは去年ご自身も登板していましたね。どんな指導でしたか?
やっぱり下半身が安定していないと、コントロールがばらつきますし、いいボールがいかないです。上半身もパワーをつけないと速い球が投げられないので、ウエイトがめちゃくちゃ大事だと思いました。大学までは器具もそんなになかったんですけど、フェニックスはジムがあってすごく伸びました。ベンチプレスはもともと50キロしか上がりませんでしたけど、今は115キロくらいです。
ー九州アジアリーグでは大分B-リングスの内川聖一(うちかわ・せいいち/元ソフトバンクほか)さんなど、NPBの実績のある選手との対戦はどうでしたか?
個々の選手のことはあまり意識せず、自分が練習で培ってきたボールを試合で投げることに集中していました。ただ6月にソフトバンク3軍との試合で、リチャード選手が調整していて、そこで2打席連続三振かな?とにかく抑えられたことは自信になりました。
”エースじゃなくてもNPBにいける”と証明したい!
ーあらためて野球歴を教えてください。
出身は佐賀県で、野球は小学校5年生で始めました。中学は野球塾みたいなところと佐賀ドリームスというチームに行って、神埼清明高校、久留米工業大学。卒業してからフェニックスですね。
ー大学まではドラフト候補ではなかったんですよね?
単純に自分のレベルが低かったですね(笑)。あ!球歴で1ついいですか。今まで自分はエースピッチャーになったことがないんですよ。中学も高校も大学も2番手でした。そんななかでフェニックスにお話をもらって、「あと2年頑張ってみよう。本気でプロを目指そう」と思いました。今もエースという立ち位置ではないですけど、フェニックスですごく成長させてもらいました。
ーエースになったことがない!?
ずっとすごく悔しい思いをしてきたので、もし指名されたら「エースピッチャーじゃなくてもプロにいけるんだぞ」というのが見せられるのかなと。エースじゃない2番手、3番手の子どもたちにも希望になったらいいなと思うので、実現したいですね。
ーエースじゃなくてもNPBに行くために何が必要だと思っていたんですか?
あきらめないことだと思います。エースじゃなくても自分なりの力を試合で見せつければ、わかる人はわかってくれると思うので。高校や大学では、エースは右の技巧派で、スピードはなくてもコントロールと変化球ががいいピッチャーだったんです。自分はコントロールは悪かったんですけど、球だけは速かったんです(笑)。だからそこを磨いていたら、ことしからコントロールも安定してきました。エースとの違いを見せることも大事かなと思います。
ーNPBへの思いは?
高校の頃から、ポテンシャルはすごいと監督やコーチに言われてきたんですが、それを発揮できずに終わってしまって…本当に悔しい気持ちで、どこかで花を咲かせたいというのがあったんです。それでフェニックスさんからお話をもらって、2年でNPBに入ると決めて入団しました。来年以降のことはまだ考えてないですけど、もしプロに入ることができたら、やれたぞ!というのは言いたいですね。
-指名されたら球団として初めてのドラフト指名になりますね?
チームとしてもそうですし、九州アジアリーグを盛り上げるためにもNPBに行きたいですね。活躍したらチームの知名度も上がるでしょうし、その思いはあります!
ー大江選手、ありがとうございました!
”エースじゃなくてもNPBにいけることを示したい”という強い思いが伝わってきました。球団初のドラフト指名を経て、NPBで活躍することを期待したいです!
大江選手をはじめ、北九州ゆかりのドラフト注目選手は、ニュースブリッジ北九州で10月24日(火)と25日(水)の午後6時半から放送予定です。ぜひご覧ください!
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