くま川鉄道 流失の橋の再建にめど 2025年度に全線再開へ

おととし7月の豪雨で被災し一部区間で不通が続く「くま川鉄道」は、流された橋の再建のめどがたったことから2025年度に全線で運転を再開することになりました。

これは23日、熊本県人吉市で開かれた会社と県、沿線の10自治体で作る「くま川鉄道再生協議会」で発表されました。

くま川鉄道は去年11月、全線およそ25キロのうち7割ほどの区間で運転を再開した一方、肥後西村駅と人吉温泉駅との5.9キロの区間は、長さ322メートルの「球磨川第四橋梁」が流されたため不通が続いています。

会議の冒頭で協議会の会長を務める田嶋副知事が「いよいよ新しい橋の設計と工期が決まった。今まで以上に愛され利用されるよう支えていくことが重要だ」と述べました。

協議会によりますと、新しい橋は部材同士を三角形につなぎ合わせるトラス構造で、14あった橋脚を4つに減らし、全長は75.5メートル長い397.5メートルです。

水の抵抗を減らし、おととしの豪雨の際の球磨川と同じ規模の水圧にも耐えられる設計だということです。

橋の工費38億円を含む復旧の総事業費は約50億円となり、災害復旧のため国に97.5%負担してもらう予定だということです。

くま川鉄道の永江友二社長は「全線再開の時期を示すことができてよかったです。地域の公共交通として頑張っていきたい」話していました。