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【出演者インタビュー】SUGIZOさん「世界には未だに戦時中の日本のような状況下にいる人たちがいる。僕はそこに寄り添いたい。」

2016年08月02日(火)

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『シリア難民であり障害者である私たち』にご出演されたSUGIZOさんにメッセージをいただきました。



《SUGIZOさんプロフィール》
LUNA SEA、X JAPANのギタリスト、ヴァイオリニストであり作曲家。今年3月にヨルダンのシリア難民キャンプを訪問した。



――SUGIZOさんがこのような社会問題に目が行くようになったのは、娘さんの誕生がきっかけだそうですね。

今年娘が成人したので20年前、だから90年代後半からです。それまでは絵に描いたような荒れたロックンローラー的な生活で、どちらかと言えばネガティブなタイプでした。でも、自分の子どもが生まれて、だんだん大きくなっていって、僕とコミュニケーションがとれるようになったときくらいかな、娘だけじゃなく、娘の友だちも同じように大切に思えてきたんです。すると、その年代の子どもたち全員が愛おしくなって、次は海外の子どもたちが愛おしくなって。そうなると難民の子どもたち、当時ならアフリカの飢餓に苦しむ子どもたちに意識がシフトしていきました。成人できないうちに命を落とすような世界で生きている子どもがたくさんいる……。だから、目が行くようになったきっかけは子どもたちの存在ですね。どうすればこれからの未来を担う彼ら彼女らがより安全に、健全に、幸せに成長して生きていける世界になるか。90年台後半からそういう意識にフォーカスするようになりました。

戦後71年の夏におもうこと

2016年08月01日(月)

b0001_2000.png8月になりました。
ハートネットTVでは戦後70年の節目だった昨年、「シリーズ戦争と障害者」と題して戦争や有事の際に、障害のある人がより一層追い詰められてきた現実について考えました。そして戦後71年となった今年も、私たちは継続して取材をすることを決意しました。


第1回は、あえて現代の戦争をみつめます。

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『ハートネットTV』
シリーズ戦後71年

シリア難民であり障害者である私たち

8月2日(火)よる8時・Eテレ
[再放送:8月9日(火)ひる1時10分]


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紛争が長期化するシリアでは、今も多くの障害者が生み出されています。「隣国ヨルダンに逃れた63万人の26%に何らかの障害がある」とする海外NGOの調査報告があります。
難民問題に関心のあるミュージシャンのSUGIZOさんフォトジャーナリストの安田菜津紀さん、そして障害当事者の立場で障害者となったシリア難民を支援している安原美佐子さんをスタジオに迎え、障害者であり難民である当事者たちの声に耳を傾けます。


【出演者インタビュー】安田菜津紀さん「私たちは痛みを負った国に生まれた人間として、想像力を外に働かせていくべき」

2016年08月01日(月)

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『シリア難民であり障害者である私たち』にご出演された安田菜津紀さんにメッセージをいただきました。

 

 

《安田菜津紀さんプロフィール》
フォトジャーナリスト。
紛争前からシリアを継続取材している。


 

――障害を負ったシリア難民の方々の映像を通して、どのようなことを考えましたか。 

 

シリア難民という存在自体とても見えにくいものですが、それでも難民キャンプで暮らしている方々は、まだ視覚化されやすくもあります。しかし、都市部に散っている難民の方々、それに加えて障害を負っている方々というのは、なかなか外に出て行きづらく、より見えにくくなっていますよね。そういう人たちをどういうふうに社会とつなげていくのかというのが大きな課題だと改めて痛感しました。

【出演者インタビュー】安原美佐子さん「紛争によって障害者になり、劣悪な環境の中で国に帰れない人たちがいる」

2016年08月01日(月)

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『シリア難民であり障害者である私たち』
にご出演された安原美佐子さんにメッセージをいただきました。


 

 

《安原美佐子さんプロフィール》
自立生活センター職員。当事者の立場からシリア難民障害者のリーダー育成に取り組む。



――ヨルダンでのピアカウンセリングでは、どのようなことをされているのですか。

 

障害者同士で集まって、自分の障害についてどう思っているのかとか、今はどうなの?しんどいことはない?というようなことを聞き合う活動をしています。実際、私がヨルダンに行って聞きたかったのは、障害を負ったことをどう思っているの?ということです。私はもともと障害を持って生まれてきたけど、戦争で障害を負った人たちは、いきなり人生が変わってしまうわけですよね。その状況を本当に受け止められているのかということを親身になって聞いています。そうやってお互いに支え合いながら、でも生きているっていいよねとか、しんどいけど生きていたらいいことあるよな、というように、地道に内面を変えていくというか、内面を見出していく活動をしています。

【障害者と戦争】1月30日(土)ETV特集セレクション「それはホロコーストの"リハーサル"だった」放送決定!

2016年01月27日(水)

こんにちは、番組ディレクターです。
本日1月27日は、アウシュビッツ強制収容所が解放された71年目の記念日です。命を奪われた何百万ものユダヤ人を偲んで、今日、世界中でイベントが開催されています。

でも、ユダヤ人大虐殺の前に、障害のある人たちも殺されていたことについてはあまり語られてこなかったのが事実。その真相に迫ったドキュメンタリーは、8月に「ハートネットTV」で、そしてその後11月にETV特集「それはホロコーストの“リハーサル”だった ~障害者虐殺70年目の真実」で取り上げました。放送後、視聴者から大きな反響があり、このたび総合テレビでの再放送が決定しました。


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ETV特集セレクション
「それはホロコーストの“リハーサル”だった
~障害者虐殺70年目の真実~」
【放送日】 2016年1月30日(土)
15:50~16:50 総合テレビ
(ETV特集で放送した番組はこちらから)

【番組内容】
600万人以上のユダヤ人犠牲者を出したとされるナチス・ドイツによるホロコースト。しかし、ユダヤ人大虐殺の前段に、いわば‘リハーサル’として、およそ30万人の、精神や知的に障害のあるドイツ人らが殺害されていた。終戦から70年もの年月が経った今、ようやくこの事実に向き合う動きが始まっている。きっかけの一つは2010年、ドイツ精神医学精神療法神経学会が長年の沈黙を破り、過去に患者の殺害に大きく関わったとして謝罪したこと。学会は事実究明のために専門家を入れた国際委員会を設置し医療の進歩を信じた‘革新派’の医師達がいかにして殺人に自主的に関わるようになったのかなど2015年秋、報告書にまとめた。

こうした事実に触れ、「あの時代だったら自分も殺されていたかもしれない」と語るのは日本障害者協議会の代表として、障害者の課題と向き合ってきた藤井克徳さん(自身は視覚障害)。藤井さんとともにホロコーストの“リハーサル”がなぜ起きたのか、それを止めようとする人たちはいなかったのか、そしてなぜ今まで沈黙が守られてきたのかを明らかにする。

 
今回の放送は、11月の放送より1分長い60分。障害者虐殺に関わった医師、運転手、遺体焼却係など多くの人たちが、のちにユダヤ人虐殺のための収容所に送り込まれ、効率的に大量殺戮を行う方法を伝授していたことを、新たな取材で掘り起こした写真などを盛り込んでお伝えします。今のところ再放送は予定していません。ぜひお見逃しないよう、ご覧ください!




◆関連番組
『ハートネットTV』シリーズ戦後70年 障害者と戦争 「ナチスから迫害された障害者たち」
(1)20万人の大虐殺はなぜ起きたのか
(2)ある視覚障害者の抵抗
(3)ナチスの障害者虐殺 ―いま何を学ぶべきか―

 

【出演者メッセージ】海老原 宏美さん「収録を終えて」

2015年12月14日(月)

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12月13日放送
ハートネットTV+ シリーズ戦後70年
福祉トーク「ぼくらのこれから」

ご出演の海老原 宏美さんにメッセージをいただきました。

 


《海老原宏美さん プロフィール》
社会福祉士・障害当事者。



無事に収録を終えてとりあえずホッとしています。
なにせ、左には人生と障害者運動の大大大先輩、右には名俳優の小学生とに挟まれ、自分の立ち位置やテンションの入れ具合等、終始手探り状態の収録でした(笑) また、普段は障害福祉のこと中心に活動していますが、高齢福祉や児童福祉も含めた議論となり、自分が知らないことも多く、勉強になりました。

ジャンルや年代を超えて様々な人たちの意見を聞くことで、あらためて「社会の中での生きにくさ」というのは、障害者、高齢者、児童すべての人に、共通の要因があるのだということを再認識しました。社会の中での「役に立つか立たないか」「社会的弱者は誰か」という基準は、その時々の社会情勢や文化によって、いかようにでも変わります。戦争が始まれば、戦えない子どもや障害者、高齢者は、足でまといでしかありません。でも、その時その時の「社会的弱者」を切り捨てても、また新たに「戦いに弱い兵士」や「協調性のない兵士」などと「弱者」はどんどん作り出され、世界がほんの一握りの限られた狭い人間のものとして牛耳られるまで、人の価値の選別は行われるのだと思います。

そういう意味で、私たち障害者、高齢者、児童というような「社会的弱者」は、人類が滅びないためのセーフティネットであると言っても過言ではないのではないでしょうか。

 

【出演者インタビュー】鈴木 福さん「大人も子どもも"生き生き"としていることは大切だと思います」

2015年12月09日(水)

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12月13日放送
ハートネットTV+ シリーズ戦後70年
福祉トーク「ぼくらのこれから」

ご出演の鈴木 福さんにメッセージをいただきました。

《鈴木 福さんプロフィール》
俳優。


――今回は「日本の福祉」や「日本の未来」について、スタジオにゲストを呼んで話し合いましたが、収録を通してどのようなことを考えましたか。

 

「障害があるから」とか、そういうことで差別をしないっていうこともそうだし、「命の大切さ」もわかりました。あと、「65歳以上だから」といって働かないようにして、楽しみとかを奪ってしまうことも、あまりよくないなと思いました。高齢のおじいさんおばあさんたちに自分の仕事とか役割があれば、自分のためだけじゃなくて、僕たちが大きくなったときのためにもいいんじゃないかなと思いました。


詳細は「続きを読む」をクリックしてください > > >  
 

【出演者メッセージ】藤井克徳さん「これからの福祉や社会」

2015年12月07日(月)

20151213_fujii.jpg12月13日放送
ハートネットTV+ シリーズ戦後70年
福祉トーク「ぼくらのこれから」

ご出演の藤井克徳さんにメッセージをいただきました。


《藤井克徳さん プロフィール》
NPO法人日本障害者協議会代表




 

 言い足りなかったことはたくさんあった。「あんな風に言えばよかったのでは」と今回も反省しきり。その一方で、「おもしろかった」というのも、収録後の率直な感想だった。おもしろいと感じた理由はいくつかある。

一つは、社会福祉の三大分野とされている「子ども」「高齢者」「障害者」のテーマを同じ番組で考えあったことである。分野ごとに深めることの大切さは言うまでもないが、この時期「三大分野」に通底する問題や課題を深めることの意味を強く感じた。

二つめは、多世代の出演者で番組を進行したことである。「正解」があるわけではないこの国の社会福祉のこれからを考えるとき、「参加」が決定的なキーワードとなろう。その際に欠いてはならない視点の一つが、多様な世代が一緒になって考えあうことだと思う。今回の「多世代ディスカッション」は小さな実験になったのではなかろうか。

三つめは、現場とスタジオがつながっていたことである。いくつかの座談会を聞きながら、また高校での授業風景や既に放送された番組(ナチスドイツ下での障害者)を挟むことで、内容に厚みが増したように思う。

これからの社会福祉をどう考えるか、それを超えて日本社会そのもののあり方をどう考えるか・・・・、番組にはいろいろとヒントが含まれているように思う。たくさんの人に視聴いただき、「これからの福祉や社会」をお茶の間で、職場で、地域で話題にしてほしい。




◆番組詳細
 『ハートネットTV+』 
  シリーズ戦後70年 福祉トーク「ぼくらのこれから」 

  本放送:2015年12月13日(日)[Eテレ] 午後3:00~午後4:00(60分)
  再放送:
2015年12月28日(月)[Eテレ] 午前1:10~午前2:10(60分) 【日曜深夜】

 

▼関連ブログ
  特設ページ シリーズ戦後70年
  【出演者インタビュー】藤井克徳さん「障害者政策はその国の水準を測るバロメーター」


▼関連番組 『ハートネットTV』  シリーズ戦後70年
 第1回 障害者はどう生きてきたか(2015年1月5日放送)
 第2回 高齢者をどう支えてきたか2015年1月6日放送
 第3回 家なき子たちの戦後 ―戦争孤児から虐待まで―2015年6月2日放送
 第4回 精神障害者の戦後 ―病院か地域か―2015年6月3日放送
 第5回 ハンセン病の戦後 ―人間回復への道―2015年6月4日放送
 人が好き土が好き そして私が好き―沖縄で紡ぐ言葉―2015年6月23日放送
 
障害者と戦争 《ある知的障害者たちの戦中戦後記
  第1回  消え入った10の命2015年8月19日放送
  第2回  “ニュースさん”が歩んだ道2015年8月20日放送

障害者と戦争 ナチスから迫害された障害者たち
   (1)20万人の大虐殺はなぜ起きたのか(2015年8月25日放送)
   (2)ある視覚障害者の抵抗(2015年8月26日放送)
   (3)ナチスの障害者虐殺 ―いま何を学ぶべきか―(2015年9月15日放送)

【障害者と戦争】みなさんの声を募集しています(最新情報追加)

2015年11月06日(金)

   ETV特集
  「それはホロコーストの‘リハーサル’だった ~障害者虐殺70年目の真実~」
    放送日:2015年11月7日(土)[Eテレ] 夜11:00~11:59
    再放送:2015年11月14日(土)[Eテレ] 0:00~0:59(金曜深夜)
  (語り:大竹しのぶ)


  ※番組プロデューサーのブログはこちらをクリック。


こんにちは、番組ディレクターです。ハートネットTVでは、今月は「障害者と戦争」について考えてきました。今日、明日の放送は、ドイツを舞台に、ナチスに迫害された障害者たちについて取材。なぜそのようなことが起きたのか。そしてそれを止めようとする人たちはいなかったのか考えています。

 

シリーズ戦後70年 障害者と戦争 「ナチスから迫害された障害者たち」
(1)20万人の大虐殺はなぜ起きたのか
(2)ある視覚障害者の抵抗

 

番組のきっかけは、去年の暮れ、日本障害者協議会代表の藤井克徳さんから「ホロコーストの真っただ中、ユダヤ人障害者を救った視覚障害者がいた。彼について調査したい」と連絡をいただいたことでした。「その人物から、現代の私たちが学べることがあるのでは」との藤井さんからのご提案に私も興味を持ち、調べてみると、その人物はオットー・ヴァイトというドイツ人。ナチス政権がユダヤ人迫害を強化する中で、ブラシをつくる作業所を立ち上げて、あえてユダヤ人の障害者を雇い、かくまっていたことが分かりました。

【障害者と戦争】11月7日(土)、ETV特集 放送決定!(「それはホロコーストの'リハーサル'だった ~障害者虐殺70年目の真実~)

2015年10月22日(木)

こんにちは。番組プロデューサーです。

戦後70年の今年、ハートネットTVでは「障害者と戦争」をテーマに、戦時中、日本やドイツで起きたことについてシリーズで放送してきました。
その中で取り上げた「ナチス政権下のドイツでの障害者虐殺」(いわゆる『安楽死計画』、別名『T4作戦』)には、「全く知らなかった」「障害者の親として人ごととは思えなかった」といった、たくさんのメールやお便りを頂戴するなど、大きな反響がありました。

シリーズ戦後70年 「障害者と戦争」ナチスから迫害された障害者たち
(1)20万人の大虐殺はなぜ起きたのか
(2)ある視覚障害者の抵抗
(3)命の選別を繰り返さないために

11月には「ETV特集」として60分凝縮バージョンで放送することが決まり、いま、ディレクターや技術スタッフたちが制作の最後の仕上げに入っています。

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MA(音入れ)作業 (左から2番目がディレクター) 
重い内容だけに、大竹しのぶさんの淡々としたナレーションに鳥肌が立つことも・・・


 

   ETV特集
  「それはホロコーストの‘リハーサル’だった ~障害者虐殺70年目の真実~」
    放送日:2015年11月7日(土)[Eテレ] 夜11:00~11:59

       再放送:2015年11月14日(土)[Eテレ] 0:00~0:59(金曜深夜)


 

そもそも、なぜ命を救うはずの医師たちが殺害に加担していったのでしょうか?
そして誰も止めようという人はいなかったのでしょうか?
ETV特集では、こうした“加害側”にも注目。当時広がっていた‘社会ダーウィニズム’や‘優生学’といった思想や、子孫を残せないようにする‘断種’の歴史、そして時の権力者・ヒトラーの野望にも触れながら、いかにして「命の選別」が進められていったのかを見つめます。