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静岡 焼津名物 黒はんぺん工場に潜入!

黒はんぺん作りにはたくさんの知恵が詰まっていました!
  • 2023年11月10日

 

しずラブ、今回のテーマは、焼津が発祥と言われている名物「黒はんぺん」!
市内には7社ほどのメーカーがあります。
今回は、70年以上前から黒はんぺんを製造している会社の工場に潜入!
黒はんぺん作りの「知恵」を見つけてきました。

                     ★動画は記事の末尾に掲載 期間限定で公開★

焼津名物黒はんぺん 工場に潜入!!
 


 

朝5時45分 工場の前

時刻は朝の5時45分。黒はんぺん作りの朝は早いんです。
 

鈴木理恵子さん

案内してくれたのは、練りものメーカーの3代目社長、
鈴木理恵子(すずき・りえこ)さんです。
 

白衣に着替えて、早速工場の中へ!

まずは、この会社で原料としているマイワシを丁寧に洗います。
 

ここでしっかりと洗うことで、くさみのないはんぺんが出来上がります。

このマイワシが…

機械に入れると…

 

ミンチになって出てきました!!!
この会社では、マイワシを骨や皮までまるごと使います。
 

スーパーで見るひき肉みたいに出てくるんですね!!

 


一説によると、黒はんぺんは江戸時代からあり、
家康公も食べたとか!

ここで、1つ目の知恵! 
古くから、魚をまるごと使うのにはこんな理由があるんです。
 

鈴木さん

マイワシだけでなくて、大漁だった青身の魚、小魚ってアジとかイワシとかいろいろあるかと思うんですが、大量に獲れた青魚を日持ちを良くさせるため。昔は冷蔵庫なんてありませんでしたから。

知恵①大量の青魚を日持ちさせるため

たくさん獲れる魚を、手早く加工して腐らせないための工夫が、黒はんぺんを生んだんです。
 

このミンチをさらに細かく石臼ですっていきます。
このステンレスの内側、実は石になっているんですよ!
 

岩塩などの調味料もここで加えます。
魚の脂の乗り具合などを職人が見極めて、加える量を調整しています。

ここで、驚きの光景が…!2つ目の知恵です。

なんと!!
 


を入れていたんです! 
石臼の摩擦で起きる熱でタンパク質が壊れないように、
氷で冷やして温度調節をします。
暑い夏の日は多めに入れるなど、そこも職人の感覚が大事なんだそうです。

知恵②氷を入れて温度調節

さあ、そして3つ目の知恵
よりうまみを出すために、この会社では、魚以外のあるものを加えています。
それがこちら…
 

トマトパウダーなんです。
試行錯誤のすえたどり着いたのは、トマトが持つ自然のうまみだったそうです。
こうしたおいしくする工夫が、メーカーによって様々あるそうです!

知恵③トマトパウダーでうまみアップ!

 

そうして調味料などと混ぜた後は…
 

成形しておなじみのかたちに!

ゆでたてほかほかのはんぺんを特別に、いただきました!
 

工場ならではの貴重な体験です!!

 

うわ~!魚のうまみがすごいですね!
できたてで、ぎゅっと詰まってておいしい!

ゆでたてはふんわりとした食感でした!

その後冷蔵庫で冷やされると…
 

焼津名物、黒はんぺんの出来上がりです!
 

できたてはもっちりとした食感が楽しめるそうです。

そして、はんぺんは、工場の中ですぐに手包みされます。
 

とてもすばやい動きで包んでいました!
これぞ熟練の技…!
できたてを、地元の直売所や土産物店などに出荷しています。
 

多くの人に食べてほしい 黒はんぺんの新レシピ!
 


黒はんぺんをより多くの人に味わってもらいたいと、
鈴木さんは新たなレシピを研究しています。
ご自宅で教えてもらいました!
 


ひとつは、黒はんぺんのかき揚げ

 


黒はんぺんを細切りにして、
 

玉ねぎとてんぷら粉と合わせて、
 

揚げるだけ!
 

とってもシンプル!簡単にできます。

こちらも試食させていただきました!

サクッといい音がした!これ、おいしい…!
はんぺんのうまみと食感もいいですね。
たまねぎの軽い感じと合いますね!

また、トマトやパプリカ、にんにくなどと一緒に
 

たっぷりのオリーブオイルで煮込んだ…
 


黒はんぺんのアヒージョです!
 

バケットとともに

実は、オリーブオイルとも、相性抜群なんです!
アヒージョは難しいという方は、
フライパンにオリーブオイルをひいて、黒はんぺんを焼き、
お好みで醤油をたらすだけでもとってもおいしくなるそうです。
 

鈴木さん

黒はんぺんは、青魚の栄養と、骨ごと使うことによってカルシウムも
とっていただける。やっぱり体を作るのって若い時から、"食"ってものに
気を付けていだきたいなっていう思いがあるものですから、
小さなお子さまでも、いろんなお料理・レシピを通して、
若い方に親しんでいただけるということをご案内させていただきたいなと
思っています。

黒はんぺんをもっと多くの人に知ってもらいたい。
そして、健康のためにも食べてもらいたい。
そんな思いを語ってくださいました。


黒はんぺんが好きすぎて…〇〇まで作ってしまいました!
 


そんな焼津名物の黒はんぺんをもっと広めようと、”あるもの”を作った人たち
がいます。

やってきたのは焼津公民館。
 

みなさんが作ったのは…
 

歌手の港八郎さん・千草かおりさんたち

「黒はんぺん音頭」!!!!!


焼津を拠点に活動する歌手の港八郎さん・千草かおりさんを中心に、
およそ1年前に始まったプロジェクトです。

黒はんぺんのすばらしさを、なんと歌と踊りにしてしまいました!
市内のお祭りや県外のイベントで披露していて、
この夏も、夏祭りに引っ張りだこだったそう。
 

歌詞には
「半月型は未来の誇り」「黒はんぺんは焼津の宝」など、
黒はんぺんへの愛が詰まっています。

千草さん・港さんは、曲についてこう語ります。

千草さん

やっぱ、音楽が流れてるとなんだろう?ってなるでしょ。

港さん

「ああ、焼津の黒はんぺんの宣伝か」っていうことをね、
つぶさにわかるようにさせていただきました。

曲をきっかけに、「黒はんぺんって何だろう!?」と思ってもらいたい。
そして、食べてもらいたい!そんな思いがありました。


食べてみて!焼津黒はんべフライあげあげ隊


魅力を伝えるには、食べてもらうのが一番!!
ということで、焼津にはそんな活動をしている人たちもいます。
 

画像提供:一般社団法人 焼津市観光協会

その名も「焼津黒はんべフライあげあげ隊」
全国的に有名なB級グルメにしたい!と、
地域のイベントを中心に黒はんぺんフライを提供しています。

 

画像提供:一般社団法人 焼津市観光協会

子どもからお年寄りまで、大人気!
すぐに売り切れてしまうこともあるといいます。

伝統ある食品ですが、
その魅力を広めようという新たな活動が最近盛んになっていることを知りました。

焼津の宝、黒はんぺんの魅力
これからもまだまだ多くの人に伝わり、盛り上がっていきそうです!
 

★動画はこちら★(期間限定で公開) ♪黒はんぺん音頭も聴けます
 



 

  • 末永万智(すえながまち)

    NHK静岡放送局 キャスター

    末永万智(すえながまち)

    岐阜県揖斐川町出身。
    「ひるしず」キャスター、「たっぷり静岡」リポーター。
    趣味はお笑いラジオを聴くこと。特技は英語。

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