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NHK静岡 しず♡LOVE 「何もない時間」を味わう旅 熱海・初島

末永万智キャスター
  • 2023年04月18日

NHK静岡で夕方6時10分から放送している
「たっぷり静岡」の新コーナー『しず♡LOVE』。
アナウンサーやキャスターが静岡県内35ある市や町の魅力を体当たりで取材します。 
2回目は私、末永万智が担当しました! スマホ片手に熱海市・初島に行ってきました。
身近な離島として観光客が増える中、住民には悩みも…。
島に住む人々の本音と、初島でしかできない楽しみ方をたっぷり聞いてきました。

                ★4月12日放送分の動画はこちらから👇★

 

熱海港から約30分!カモメと出会う船の旅

熱海港から船に乗り込みます

熱海港から初島港までの高速船は1日10便出ています。

熱海の街を離れ、初島へ。いざ出発!

気持ちの良い海風を感じながら進んでいくと…

たくさんのカモメが見送りに来てくれました。
顔のすぐ近くまで来るので、大迫力です!

だんだんと島の形が見えてきます。
熱海港を出ておよそ30分。
初島はもう目の前!
あっという間の船旅でした。
首都圏からのアクセスも良く、観光地として人気なのもうなずけます…!

周囲4キロの島 美しい風景の宝庫!

初島に到着!

港では、釣りをしている人も多くいました。
この日は、遠くに富士山も見えていたんです! 
海に囲まれ、富士山を眺めながらの釣り。 初島ならではの魅力です。 

着いたらまず、島をぐるりと一周してみることに!

初島の周囲は約4km。
ぐるっと一周しても1時間かからないので、ウォーキングコースにぴったりです。

小さな島ならでは。 
どこにいても波の音が聞こえて、とても癒されます。

新鮮な海の幸!初島グルメを堪能

島の中心部には食堂街があります。 
このあたりでは海鮮丼が名物です。
さっそくそのうちの一軒にお邪魔して食べてみることに。

食堂を経営する萩原利美(はぎわら・としみ)さんです。
埼玉県出身ですが、 20年前、奥様の実家がある初島に移住。
この日作ってくれたのは、このお店の看板メニュー 「どんぶり三昧」!


定番のいか丼と岩のり丼、そして、その日釣った魚によって変わる海鮮丼。 
この日は、前日の夜萩原さんが釣った「タカベ」という魚。 

小さな高級魚ともいわれるタカベ


このタカベ、 初島周辺ではよく釣れる魚なんだそう。
では、いただきます!

タカベ、とってもおいしい!! 
さっぱりとした白身魚で、いくらでも食べられてしまいそうです。 
あまりのおいしさに、どんぶりが3つあったにもかかわらず10分で完食!
景色よし、食べ物よし!最高の島だなあ…と思いました。 
食事のあと萩原さんに話を聞いてみると、 
島に来て、都会暮らしのストレスから解放されたと話していました。

観光地として人気!一方、住民の本音は… 

ただ、島での暮らしで、悩んでいることもあるといいます。 

妻の故郷・初島に移り住んで20年 食堂経営・萩原利美さん 

「まず第一に、お医者さんがいない。いまは夜間救急が来てくれないから、
夜、病気になったらどうしようって。」

島には病院がありません。 
夜間は船も動かないため、病気になることへの不安が一番大きいと言います。
また、お店を経営するうえで困っていることも。 

「我々のマンパワー不足です。それで逆にお客さんに迷惑かけてるんじゃないかって。こちら側がいま夫婦二人なんで、土日や混んでるときも二人体制。受け入れる側が常に二人体制っていうのは、ちょっとどうなんだろうって…。」

食堂街の裏には住宅街が

初島に実際に住んでいる人は減少していて、昔からの住人は100人に満たないといいます。 
民宿や食堂も、家族経営のお店がほとんど。
首都圏からの観光客が増える一方、もてなすための人手不足が深刻だそうです。 

 

地元観光のとりまとめ役、岩本暁(いわもと・さとる)さんに話を聞いてみると、
こんな悩みもあるといいます。

初島区事業協同組合 観光担当 岩本暁さん

「基本ここはどこにいくにもだいたい15分歩けば行ける範囲ではあるんですけど、お客さん大きさがよく分かってないので、バスとかタクシーとかっていう話にはなるんですが、とにかくレンタサイクルもないので、歩いてくださいっていうお話しはして、特に怒るお客さんはいないんですけど、まあ、がっかり的な雰囲気はけっこうな割合で受けますね。」

限られた土地と人の中では、都会や大きな観光地と同じようなサービスができません。
観光客からの要望に応えられず、もどかしさを感じるもことあるといいます。

道幅は細く、坂や階段も多い

道幅が狭いため、車は一台がやっと通れるほど。 
坂も多く、アップダウンが激しいことも、レンタサイクルを導入できない理由のひとつ。
どうしてもサービスが限られてしまう現実を、観光客にも知ってほしいと話していました。

そんな初島だからこそ…

ただ、そんな初島でしかできない楽しみ方があります。
島民の皆さんは、こんなところを味わってほしいと話してくれました。

初島の良いところは? 食堂経営する萩原利美さんにきく

「良いなって思うのは、ここ何もないんで、そこが逆にいいところ」
「向こうから船に乗って島に来ていただいて、熱海の街の上に山があって、十石峠があって、その向こうに富士山が見えるという。このロケーションを、ここならではで楽しんでもらえると。」

初島灯台から見た景色

熱海の街の上に富士山が見える…
初島ならではの景色を見ながら、お酒を飲んだり、美味しい海鮮を食べたり…
都会の喧騒から離れて、ぼーっとする時間を味わってほしいと萩原さんは言います。

地元観光のとりまとめ役 初島区事業協同組合 岩本暁さん

「(島の良いところは)静かなとこだと思いますねやっぱり。」
「波の音、風の音、鳥の鳴き声…とにかく、時間をゆっくり使っていただきたいというところですね。 初島全体ぶらっと歩いていただいて、1時間あれば、とりあえず歩いては来れますので、まあそんなところでゆっくり歩いて、 車がとにかく少ないですから、ゆっくり静かな時間を味わっていただきたいかなと思いますね。」

広い空をゆったりと飛ぶ鳥を見つけました

バスやタクシー、レンタカーもない。
でも、車が少ない環境だからこそ、ゆったりと静かに歩くことができます。

岩本さんは、あれもこれも体験したい!という観光ではなく、初島で「何もない時間」を過ごしてほしいと話していました。

便利なものに囲まれた日常生活をあえて切り離してみる。
私も初島に行って自然の中を歩いていくうちに、心が研ぎ澄まされていくような感覚がありました。 
観光客として初島を訪れる側も、島を理解することが大切だと感じました。
「何もない時間」を過ごすことのぜいたくさに気づいた、しず♡LOVE 初島の旅でした!
 

 

(放送後記)

初島の旅、ご覧いただいてありがとうございました。

 

港のそばにある観光交流施設。
船の待合所の向かいには、お土産がたくさん!
初島産のサザエや、干物などがたくさん並んでいました。
初島の海の恵み!

食堂や民宿で食べられる海鮮も、
多くは経営している島民の方が獲ったもの。
人が限られている分、大量に提供できるわけではありませんが、
だからこそ、価値があるなあ…と思いました。

ゆっくりと自然を味わい、そのありがたみを実感しました。

さあ!次回のしず♡LOVEは!?
 


 

安川キャスターが藤枝市の名物・朝ラーメンを求めて旅します!
お楽しみに♡

 

  • 末永万智(すえながまち)

    NHK静岡放送局 キャスター

    末永万智(すえながまち)

    岐阜県揖斐川町出身。
    「ひるしず」キャスター、「たっぷり静岡」リポーター。
    趣味はお笑いラジオを聴くこと。特技は英語。

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