職活動にいい」と学生
「首都大学」を「東京都立」に

東京都が設置する公立大学「首都大学東京」は、再来年4月から大学の名称を、大学の統合前に使われていた「東京都立大学」に変更することを決めました。学生を中心に名称の変更を求める声が上がっていたためです。

これは、東京都の小池知事が記者会見で明らかにしました。
それによりますと、首都大学東京を運営する法人は再来年4月から、大学の名称を東京都立大学に変更することを決めました。

都が設置する首都大学東京は、昭和24年に設立された東京都立大学や、東京都立科学技術大学など4つの大学が平成17年に統合して誕生しました。

大学の名称は、当時の石原知事のもとで、一般から公募した名称を踏まえて決まりました。

ところが、大学が去年秋に学生を対象に行った調査で、「大学に改善してほしいこと」について、回答した学生の半数近い46.1%が「大学名・知名度」と答えたということです。

調査では、学生の間から「企業が大学名を知らず、就職活動で不利だ」などという意見も出されたということです。

大学の名称をめぐっては、小池知事もことし7月、「都立の大学だとシンプルかつ明確に表現するため、東京都立大学も1つの選択肢ではないか」と述べていて、大学を運営する法人は名称の変更を検討していました。

首都・東京を象徴する大学として名付けられた首都大学東京は、10年余りでかつての東京都立大学の名称が復活することになります。

小池知事は記者会見で「都立の大学であることをわかりやすく発信していくことで、教育研究の成果を都民や都政に還元するという大学の存在意義が、これまで以上に明確になると期待している。名称が単に元に戻るのではなく、さらに新しくステップアップしていく」と述べました。

学生からは歓迎の声

首都大学東京の名称が、再来年から「東京都立大学」と変更されることについて、東京・八王子市のキャンパスでは学生たちから歓迎する声が多く聞かれました。

このうち、2年生の女子学生は「首都大学東京の知名度が低く、東京都立の大学とわかってもらえないことが多くありました。変えたほうがいいと思っていたのでよかったです」と話していました。

また、3年生の男子学生は「多くの学生が喜んでいると思います。特に自分たちより上の世代には、『首都大学』より『都立大学』と言ったほうがわかってもらえることが多かったので、これから就職活動をするうえでもいい効果があると思います」と話していました。

一方、別の3年生の男子学生は「『首都大学』が定着してきた印象もあるので、あまり何度も名前を変えないほうがいいと思います」と話していました。