拉致被害者家族 首相と面会
「北朝鮮にメッセージを」

北朝鮮による拉致被害者の家族は、菅総理大臣と面会したあと記者会見し、被害者の親の世代が健在なうちに、すべての拉致被害者の1日も早い帰国を実現してほしいと改めて強く訴えました。

北朝鮮による拉致被害者の家族会は今月3日、キム・ジョンウン(金正恩)総書記に宛てた新たなメッセージを出し、すべての被害者の即時一括帰国が実現するなら、被害者から秘密を聞き出し、日朝国交正常化の妨げになることはしないという思いは変わらないとしたうえで、家族の高齢化を踏まえ、「メッセージには期限がある」と明記しました。

7日の会見で、横田めぐみさんの弟の拓也さんは「親の世代の健康面、体調面には厳しいものがあり、一刻も早い解決が必要で、『期限がある』というメッセージのことも含めて、菅総理大臣に伝えました。医療体制がぜい弱な北朝鮮で、被害者は本当につらい毎日を過ごしていると思われ、姉は、きょうも生きられているかと心配が募る日々です。今度の日米首脳会談では『人権外交』を日米主導で進め、北朝鮮に力強いメッセージを発信してほしい」と話していました。

また、めぐみさんの母親の早紀江さんは「日米首脳会談を控えているので、被害者救出に本当に全力を傾けてほしいということを念を押して伝えました。私たちはただ、子どもたちが帰ってきてくれればいいだけで、こんなに長い時間がかかっていることを本当に悲しく思います。被害者が帰国した時に親が誰もいなかったら、これほど恥ずかしいことはない。『期限』は目の前に迫っているので、なんとかして北朝鮮のトップの心を変えさせてほしい」と話していました。

そして、田口八重子さんの長男の飯塚耕一郎さんは「私たちと同じように、総理にもキム総書記に対してメッセージを掲げ、すべての拉致被害者の即時一括帰国を迫ってほしい。この問題を解決することは、日本と北朝鮮、双方にとっていいことしかないはずで、未来的思考で進めるべきだと思う」と話していました。