「元法相『データ完全消去
して』と依頼」業者が供述

公職選挙法違反の罪に問われている河井案里議員の裁判で都内のコンサルタント業者の供述調書が読み上げられ、夫の河井克行元法務大臣から「データを完全に消去してほしい」と依頼され、消去したと供述していたことが分かりました。

参議院議員の河井案里被告(47)は、夫で元法務大臣の克行被告(57)とともに、去年の参議院選挙をめぐって公職選挙法違反の買収の罪に問われ、無罪を主張しています。

東京地方裁判所で開かれた19日の裁判では、検察官が都内のインターネット関連のコンサルタント業者の供述調書を読み上げました。

それによりますと、この業者は週刊誌に選挙違反の疑惑が報道された直後の去年11月、河井元大臣に呼ばれて「パソコンのデータを完全に消去してほしい」と依頼されたということです。

業者は「元大臣は焦っている様子で、完全に消去できるソフトがあると説明すると『じゃあ買ってきて』と言われた」と供述したということです。

業者と河井元大臣、それに秘書らが議員会館の事務所や議員宿舎、自宅などでパソコンのデータ消去を進めましたが、議員会館での作業について、業者は「動作がうまくいかず終了していなかったが、『もう十分だろう』と思い、作業を途中で終了した」と供述していました。

検察は、現金の提供先リストなどのデータが議員会館のパソコンに残されているのを見つけていて、大規模な買収工作を立証する重要な証拠だとしています。