主席の国賓訪日 自民が
「中止要請」決議まとめる

香港国家安全維持法の施行を受けて、自民党は中国の習近平国家主席の国賓としての日本訪問について、当初の文言を修正し「外交部会などとして中止を要請せざるをえない」とする決議を正式にまとめました。

香港で反政府的な動きを取り締まる中国の香港国家安全維持法が施行されたことを受けて、自民党の外交部会などの役員会は、先週、習近平国家主席の国賓としての日本訪問の中止を、党として政府に要請する決議案をまとめました。

しかし、党内の一部から「長年の努力で築かれた日中関係を壊すようなことばを盛り込むことには慎重であるべきだ」などと、文言の修正を求める意見が出されました。

このため7日の政調審議会で「党の外交部会・外交調査会として習主席の国賓訪日について中止を要請せざるをえない」という表現にとどめることを決めたほか、中国との友好関係の構築に向けて働きかけを行うことも求めることになりました。

自民党は近く、政府に決議文を提出することにしています。

自民党の稲田幹事長代行は、記者会見で、「党内でもいろんな意見がある中で、表現ぶりが少し変えられ、決議がまとめられたことは、よかったのではないか。国家のリーダーが直接会って言うべきことを言う機会は非常に重要だ」と述べました。
自民党の世耕参議院幹事長は、記者会見で、「環境が大きく変化した。特に香港における中国の対応は一国二制度という国際的な約束をほごにしたわけで、習近平国家主席を、もろ手を挙げてお迎えできる雰囲気ではなくなってきたのは事実だ。こういうタイミングで
決議をまとめたのは適切だった」と述べました。
自民党の二階幹事長は、記者会見で、「日中関係がここまで来るのに先人たちの大変な苦労があった。そのことを思うと、慎重の上にも慎重に行動すべきだ。外交は相手のあることであり、そんな簡単なものではない」と述べました。
公明党の山口代表は、記者団に対し、「中国の習近平国家主席の国賓としての日本訪問は、日中の首脳往来を重ね、関係を強化していこうという流れの一環であり、推進していくべきだ。今は両国とも新型コロナウイルスの対応に奔走しているので、具体的な日程を調整できる状況にはないが、引き続き訪日が実現できるよう努力すべきだ」と述べました。