言解除後も医療体制の
整備継続を”日本医師会長

緊急事態宣言の解除をめぐり、日本医師会の横倉会長は、解除後も再び感染が拡大した場合に備え、医療体制の整備を続けていく必要があると指摘しました。

日本医師会の横倉会長は、記者会見で今後の医療体制について「今回、東京を中心に急速に患者が増加して、医療崩壊に近いところまで追い込まれた。この経験をもとに、次に大きな波が来た時にしっかり対応できるよう準備したい」と述べ、緊急事態宣言が解除された後も再び感染が拡大した場合に備える考えを示しました。

具体的には感染の疑いがある人に的確に検査できる体制や、症状に応じて必要な医療を受けられる体制の整備を続けていく必要があると指摘しました。

そして、国民に対し「連休明けで緩みが懸念されているが、感染防護のため手洗いやこまめな消毒などに力を尽くしていただきたい」と呼びかけました。

また、会見に同席した北海道出身の中川副会長は「北海道では、独自の緊急事態宣言が功を奏して一度感染が収束したが、解除後に再び感染が広がった。北海道の例を参考にしていただき、第2波、第3波への備えをしっかりしてもらいたい」と述べました。

加藤厚労相「宣言解除後も病床の確保を」

加藤厚生労働大臣は、13日夜、全国知事会の飯泉会長とテレビ会議を行い、緊急事態宣言の解除後も再び感染が拡大する場合に備えて各都道府県で必要な病床の確保をさらに進めるよう要請しました。

この中で、加藤厚生労働大臣は、今後の医療体制について、「新型コロナウイルスの患者を集中的に受け入れる重点医療機関を増やすなど、各都道府県で、ピーク時に向けたさらなる病床の確保をお願いしたい」と述べ、緊急事態宣言の解除後も再び感染が拡大する場合に備えた対応を要請しました。

また、加藤大臣は、感染を短い時間で調べることができる「抗原検査」が、13日付けで承認されたことを伝え、PCR検査も含め、検査体制の強化に向けた協力を求めました。

これに対し、飯泉会長は、「感染が収束しても、その後、第2波、第3波の可能性があり医療体制をより充実させる必要がある。東京に比べてぜい弱な地方の検査体制の強化に向けた支援もお願いしたい」と述べました。

また、飯泉会長は、雇用を維持した企業に助成を行う「雇用調整助成金」の申請が伸びていないことを受けて、申請手続きの簡素化などを求めました。

小池都知事 医療センター視察

東京都の小池知事は13日午後、新型コロナウイルスの患者の受け入れを行っている府中市の「都立多摩総合医療センター」を視察しました。

この医療センターでは、新型コロナウイルスの患者専用の病棟を設けたほか、感染の疑いがある人と一般の外来患者の動線を完全に分けるなど院内感染を防ぐための対策を強化しています。

小池知事は、先月中旬に屋外に設けられた感染の疑いがある人専用の待合室などを視察し、担当者から説明を受けていました。

小池知事は視察のあと、「さまざまな仕掛けを徹底して行っていた。院内感染が問題となっているが、このノウハウを東京全体に広げていきたい」と述べ、対策について都内の病院や医療機関で共有していく考えを示しました。

これに先立ち小池知事は、府中市内の保健所を訪れ、連日、対応に当たっている保健師や職員などを激励しました。