師の時間外労働の上限
引き上げ「暫定的な水準」

医師の働き方改革をめぐり、厚生労働省が、時間外労働の上限を医師が不足している医療機関などにかぎり、例外として引き上げることを認めたことについて、根本厚生労働大臣は、医師確保に向けた支援策を講じるとして、理解を求めました。

医師の働き方をめぐり、厚生労働省は28日、時間外労働の上限を、一般の労働者とほぼ同じ、年960時間とする一方、医師が不足している病院などでは、例外として、年1860時間まで認めることを決めましたが、過労死ラインとされる水準を大幅に上回ることから、反発の声も出ています。

これについて、根本厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で、「年1860時間の上限規制は、あくまで対象の医療機関や医師を限定し2035年度末を目標に、960時間まで下げていくための暫定的な水準だ」と述べました。

そのうえで、根本大臣は「例外が適用される医療機関に対し、必要な支援策を重点的に講じ、着実な労働時間短縮を促したい」と述べ、医師が不足している医療機関などに対し、医師確保に向けた支援策を講じるとして、理解を求めました。

働き方改革をめぐっては、大企業の労働者は新年度から、また、中小企業の労働者は2020年度から、時間外労働の上限規制などが始まるのに対し、医師については、患者への影響を考慮し、2024年度から適用されます。