致問題解決しない限り
動かない姿勢を」蓮池氏

2回目の米朝首脳会談は28日、2日目を迎えますが、北朝鮮に拉致され17年前に帰国を果たした蓮池薫さんがNHKのインタビューに応じ、「核やミサイルの議論が進み米朝交渉が進んだとしても拉致問題が解決しないかぎり日本は経済支援を行わないという、きぜんとした姿勢が何よりも大事だ」と話しました。

蓮池さんは、27日、NHKのインタビューに応じ、米朝首脳会談の行方と拉致問題への影響について「非核化をめぐって米朝の関係が動く中で、日朝関係の今後が見えてくるだろうという意味で非常に注目していますし、期待もしている」と述べました。

そして、キム委員長の今後の出方について「拉致問題の解決に向けて何らかの行動をとる意欲はあるのではないか」という見方を示したうえで、「政府が経済支援のカードを使って拉致問題が解決すれば北朝鮮にこういう未来があるということを一般論ではなく具体的に考え、伝えていくことでキム委員長が拉致を動かそうという思いになるのではないか」と述べ政府の取り組みを求めました。

その一方で、政府が注意すべきこととして「核やミサイルの議論が進み米朝交渉が進んだとしても拉致問題が解決しないかぎり日本は動かないという、きぜんとした姿勢が何よりも大事だ。米朝交渉が進む中で蚊帳の外に置かれたと感じて焦りのようなものが日本に生まれ、拉致問題を解決する前に国交正常化をしても北朝鮮が『ありがとう、被害者を返します』という対応をとることはありえない」と述べ、焦ることなくすべての被害者を取り返す戦略を練り、備えていくことが重要だと話しました。