多くのF35を購入
することに感謝」米大統領

アルゼンチンを訪れている安倍総理大臣は1日未明、アメリカのトランプ大統領と会談し、中国に対して経済面や安全保障面で建設的な役割を果たすよう促していくために緊密に連携していくことを確認しました。一方、トランプ大統領は、日本政府が最新鋭のステルス戦闘機F35を多数購入することを約束したとして謝意を示し、対日貿易赤字の削減に改めて強い意欲を示しました。

主要20か国の首脳らが参加するG20サミットに出席するためアルゼンチンを訪れている安倍総理大臣は、日本時間1日午前2時前から30分余り、アメリカのトランプ大統領との9回目の首脳会談に臨みました。

会談の冒頭、トランプ大統領は「日本から約束があったが、アメリカから数多くの最新鋭のステルス戦闘機F35を購入することに感謝したい。日本との間の貿易赤字は巨額だが、安倍総理大臣と協力して速やかに不均衡を是正したい」と述べました。

また、来年の皇太子さまの即位に伴い、日本に招待されていることを明らかにしました。

これに対し、安倍総理大臣は「日米同盟はかつてないほど強固なものとなっており、G20サミットで首脳会談が実現するのも日米同盟がいかに強固であるかの象徴だ」と応じました。

そして、両首脳は、中国に対し、経済面や安全保障面で建設的な役割を果たすよう促していくために緊密に連携していくことを確認しました。

また、朝鮮半島の完全な非核化に向けて、引き続き国連安保理決議の完全な履行が重要だという認識で一致したほか、安保理決議に基づく制裁措置を逃れるため北朝鮮が海上で物資を積み替える「瀬取り」への対策で緊密に連携していくことを確認しました。

このほか、ことし9月の日米共同声明に従い、日米間の貿易・投資をさらに拡大させ、公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域の経済発展を実現させていくことを再確認しました。

このあと、両首脳はインドのモディ首相を交えて、日本・アメリカ・インド3か国による初めての首脳会談に臨み、法の支配や航行の自由を保障する「自由で開かれたインド太平洋」構想の維持・強化に向けて、海洋での安全保障や地域の連結性の強化などで緊密に連携していくことで一致しました。

ホワイトハウスが会談内容発表

ホワイトハウスは30日、日米首脳会談の内容について発表しました。

それによりますと「両首脳は、北朝鮮に関する最新の情勢を検証し、北朝鮮が非核化を実行するまで圧力を維持するため、国際社会とどう連携していくか議論した」としています。

また、「自由で開かれた、インド太平洋の進展に向けた協力や、エネルギーやインフラの分野で連携を拡大していく次のステップについても意見を交わした。さらに、2国間の貿易協定の締結を目指す交渉を含む、両国の経済関係を深めていく取り組みについて協議した」として、日米間の貿易やインド大平洋地域での協力の在り方など、幅広い分野で意見を交わしたと明らかにしました。