維新 1000万要求に離党勧告 吉田衆院議員「異議申し立て」

日本維新の会は、党所属の吉田豊史 衆議院議員が、ことし7月の参議院選挙に比例代表で立候補した候補者に対し、支援にあたって1000万円を要求したなどとして、離党勧告の処分にすることを決めました。

日本維新の会によりますと、ことし7月の参議院選挙で党が公認した比例代表の候補者が党所属の吉田豊史衆議院議員から支援にあたって現金を要求され、支払えない場合は公認を辞退するよう求められたなどとして、党に訴えたということです。

これについて日本維新の会は、9月26日に開いた党紀委員会で、吉田氏への聞き取りや、双方の会話を録音したデータの確認などを行った結果、吉田氏が、政治資金収支報告書に記載しない金銭として1000万円を要求したと認定しました。

そのうえで、29日、緊急の常任役員会を開き、金銭は支払われなかったものの不法行為をそそのかす言動は政治倫理上、著しく不適切であり党の名誉を傷つけたとして、離党勧告の処分にすることを決めました。

吉田氏は、衆議院比例代表北陸信越ブロック選出の当選2回で、富山維新の会の代表を務めています。

維新 吉田衆院議員「異議申し立てを行う」

日本維新の会の吉田豊史衆議院議員は。29日午後6時から富山市で記者会見し、党の離党勧告処分に対し、近く、異議申し立てを行う考えを明らかにしました。

日本維新の会は党所属の吉田豊史衆議院議員が、ことし7月の参議院選挙に比例代表で立候補した候補者に対し、支援にあたって1000万円を要求したなどとして、離党勧告の処分にすることを決めました。

これを受け吉田氏は、富山市で記者会見し「金銭を要求する発言をしたことは事実だ」と述べました。

一方で、吉田氏は「日本維新の会では、選挙にあたって候補者本人がすべて準備することを求めている。比例代表の候補の上野蛍氏に資金の確認をし、次のステップに進みたいという状況の中で『持ってこい』という表現をしており、自分が着服する意図は全くなかった」と説明しました。

また「上野氏に対しては、完全にパワーハラスメントのような表現になってしまったと思っており、申し訳なかったと率直におわびしたい」と述べました。

そのうえで吉田氏は、離党や議員辞職はせず、弁護士とも相談し、党の離党勧告処分に対して、近く異議申し立てを行う考えを明らかにしました。

維新 藤田幹事長「金銭要求あってはならず」

日本維新の会の藤田幹事長は、記者会見で「立場が上の者がプレッシャーをかけたり、金銭の要求をしたりすることはあってはならず、政治家としてのモラルにも反している。私自身も反省し、党のガバナンスを強めていきたい」と述べました。