政府サイトの障害は「DDoS攻撃」 ロシア支持集団による攻撃か

政府が運営するサイトで6日起きたアクセス障害の原因は「DDoS攻撃」と呼ばれるサイバー攻撃によるものとみられることがわかりました。政府は、ロシアを支持するハッカー集団による攻撃の可能性があるとして、さらに詳しく調べています。

政府が運営するサイトをめぐっては6日、デジタル庁が所管する行政情報のポータルサイト、「eーGov」など一部でアクセス障害が起き、ロシアを支持する「キルネット」と呼ばれるハッカー集団が、SNS上に、サイバー攻撃を行ったと投稿しました。

これを受けてデジタル庁などが原因を調べた結果、6日夕方ごろ政府の複数のシステムが「DDoS攻撃」と呼ばれる大量のデータを送りつけて機能停止に追い込むサイバー攻撃を海外から受けていたとみられることがわかりました。

「DDoS攻撃」はロシアを支持するハッカー集団「キルネット」がほかの国でも使ってきた手法であることから、政府は今回もこの集団による攻撃の可能性があるとしてさらに詳しく調べています。

「DDoS攻撃」これまでも世界中の政府などが標的に

企業や団体のウェブサイトやサーバーなどに大量のデータを一斉に送り続けることで機能停止に追い込むサイバー攻撃「DDoS攻撃」は、政治的な主張などを目的に攻撃を仕掛けるハッカー集団などが用いることも多く、これまでにも日本を含めた世界中の政府などが標的になってきました。

このうちハッカー集団の1つ「アノニマス」は、2012年に、日本の違法ダウンロードの罰則化に抗議して、政府や裁判所などに、攻撃を仕掛けたと主張したのをはじめ、2013年は日本のイルカ漁に抗議して和歌山県の自治体などに対して、またおととしにはミャンマーの軍事クーデターに抗議して軍などに対して攻撃を行ったと主張しています。

また、ウクライナ情勢をめぐっては、侵攻前の2月、ウクライナ当局が国防省や銀行などが攻撃を受け、業務に支障が出たとしていて、アメリカの政府高官が「ロシアが関与しているとみている」と述べています。

今回、日本政府のサイトへの攻撃を主張している親ロシア派のハッカー集団「キルネット」はウクライナを支援する国を攻撃の対象とするとしていて、スイスのNGO「サイバーピースインスティチュート」などによりますと侵攻以降、フランスで大統領選を控えたマクロン大統領の所属する政党のウェブサイトのほかイタリアやリトアニア、それにポーランドの政府系サイトなどを攻撃したと主張しています。