月面探査目指す「アルテミス計画」 ロケット打ち上げ延期

宇宙飛行士の月への着陸を目指す国際プロジェクト「アルテミス計画」で、無人の宇宙船を搭載したNASA=アメリカ航空宇宙局の大型ロケットは日本時間の8月29日夜に打ち上げられる予定でしたが、一部のエンジンに不具合がみつかり、打ち上げは延期されました。
NASAは詳しい原因を調べるとともに打ち上げ日を改めて検討することにしています。

NASAは日本やヨーロッパも参加する国際的な月探査計画「アルテミス計画」で2025年を目標に、アポロ計画以来となる宇宙飛行士による月面着陸を目指しています。

アメリカ・フロリダ州のケネディ宇宙センターでは日本時間の29日夜、無人の宇宙船オリオンを搭載した大型ロケット「SLS」=「スペース・ローンチ・システム」が打ち上げられる予定でしたが、NASAは作業を中止し、打ち上げを延期しました。

これについてNASAは現地時間の29日午後、会見を開き、燃料を注入する作業中、コアステージと呼ばれるロケットの1段目にある4つのエンジンのうちの1つに、エンジンをうまく冷却できない不具合が見つかり、詳しい原因を調べていると説明しました。

新しい打ち上げ日は最も早くて、予備の日程として設定していた現地時間の来月2日だとしていますが、さらに遅くなる可能性もあり、30日に改めて検討するということです。

今回の打ち上げはアルテミス計画の第1段階と位置づけられ、SLSで打ち上げられた宇宙船オリオンは月を周回して再び地球に戻るおよそ40日間の試験飛行を行う予定です。