新型コロナ 飲み薬「ラゲブリオ」一般流通開始へ

政府が分配している新型コロナウイルスの飲み薬「ラゲブリオ」について、製造会社の日本法人は薬の生産体制が整ったとして、一般の医薬品と同様に卸会社を通じた流通を始めると発表しました。必要な患者に速やかに処方されることが期待されるとしています。

アメリカの製薬大手メルクが開発した新型コロナの治療薬「ラゲブリオ」は、軽症患者用の初の飲み薬として去年12月に承認され、国内では重症化するリスクのある患者を対象に、政府が分配してこれまでに38万人以上に投与されています。

この飲み薬について会社の日本法人の「MSD」は18日、薬の生産体制が整い、安定供給できる見通しがたったとして、近く、一般の医薬品と同様の形での流通を始めると発表しました。

これまでは流通量が限られていたため、政府が買い上げて薬局や医療機関は「登録センター」に登録して受け取る方式でしたが、今後は卸会社を通じて医療現場などに流通するようになるということです。

これに伴って用法用量として定められた1日2回、5日間服用する際の薬価がおよそ9万4000円に定められましたが、新型コロナに関する医療は全額、公費負担で引き続き、患者の負担はないということです。

MSDは「薬局や医療機関が必要な量の薬を確保しやすくなり、患者さんにできるだけ早いタイミングで処方することができる。準備ができ次第、できるだけ速やかに一般流通を開始する」と話しています。