自民党役員人事 総務会長に遠藤氏 選対委員長に森山氏で最終調整

8月10日の内閣改造と自民党の役員人事で、岸田総理大臣は、▽党の政務調査会長に萩生田経済産業大臣の起用を固めたほか▽総務会長に遠藤選挙対策委員長▽その後任の選挙対策委員長に森山前国会対策委員長を充てる方向で最終調整に入りました。また、内閣改造では、山際経済再生担当大臣と、小林経済安全保障担当大臣の留任で調整しています。

岸田総理大臣は10日、内閣改造と自民党役員人事を行うことにしていて、人事の検討を進めています。

このうち党役員人事では、政務調査会長に萩生田経済産業大臣の起用が固まりました。

岸田総理大臣としては、物価高騰を受けた経済対策や防衛力の強化策などの重要課題が控える中、安倍元総理大臣の側近として知られ、最大派閥・安倍派の有力議員の1人でもある萩生田氏を党の政策責任者に据えることで、政府・与党の協議を円滑に進めたいねらいがあるものと見られます。

また、新たに、総務会長に谷垣グループの遠藤選挙対策委員長、その後任の選挙対策委員長に森山派会長の森山前国会対策委員長をそれぞれ起用する方向で最終調整に入りました。

岸田総理大臣としては、みずからに近い遠藤氏を総務会長に起用し、党内の取りまとめに当たらせるほか、森山氏は、菅前総理大臣や二階元幹事長にも近いことから挙党態勢を構築するねらいがあるものとみられます。

一方、内閣改造では、麻生派の山際経済再生担当大臣と、二階派の小林経済安全保障担当大臣も留任で調整しています。

山際氏が新型コロナ対策や「新しい資本主義」の具体化に、小林氏は経済安全保障の強化など、政権の重要課題に取り組んでおり、継続性を重視しているとみられます。

岸田総理大臣は9日夕方、訪問先の長崎市から東京に戻ったあと、10日の人事に向けて詰めの調整を行うことにしています。

岸田首相 “内閣改造・党役員人事で結束 喫緊課題に全力”

岸田総理大臣は長崎市で記者会見し、内閣改造と自民党役員人事について「国の内外で戦後最大級の難局に直面している。『難局突破』のために政府・与党の結束はこれまで以上に重要で、今回の内閣改造はこの認識のもとで行う」と述べました。

そのうえで「新型コロナや物価高、経済情勢への機動的対応、ウクライナ情勢や台湾情勢は一刻の猶予も許されない。あす、内閣改造を行い新たな体制で喫緊の課題への対応や政策の実現に向け、全神経を集中させていきたい」と述べました。

また旧統一教会と政治家との関係について「閣僚、副大臣、政務官などに対し、疑念を持たれることがないようそれぞれ点検し、見直しを指示した。新閣僚、党役員においても前提となりしっかり見直すことは徹底していきたい」と述べました。