内閣改造 萩生田経済産業相 政調会長で調整 本人は留任希望

8月10日の内閣改造と自民党の役員人事で、岸田総理大臣は、萩生田経済産業大臣を政務調査会長に起用する方向で最終調整を進めています。
また、林外務大臣と鈴木財務大臣を留任させ、岡田参議院国会対策委員長を入閣させる意向を固めました。

岸田総理大臣は8日、自民党の臨時役員会などで役員人事の一任をとりつけ、合わせて行う内閣改造とともに人事の検討を続けています。

このうち、党役員人事では、安倍派に所属する萩生田経済産業大臣を政務調査会長で起用する方向で最終調整を進めています。

岸田総理大臣としては、物価高騰を受けた経済対策や防衛力の強化策などの重要課題が控える中、安倍元総理大臣の側近として知られ、最大派閥・安倍派の有力議員の1人でもある萩生田氏を党の政策責任者に据えることで、政府・与党の協議を円滑に進めたいねらいがあるものと見られます。

一方、内閣改造では、新たに岸田派の林外務大臣と麻生派の鈴木財務大臣を留任させ、岡田直樹参議院国会対策委員長を入閣させる意向を固めました。さらに、公明党の斉藤国土交通大臣と自民党の高木国会対策委員長は留任の方向で調整が進められているほか、体調が不安視されている岸防衛大臣は、交代が検討されています。

岸田総理大臣は、政権の骨格を維持したうえで体制を強化したい考えで、すでに続投が固まった麻生副総裁、茂木幹事長、松野官房長官らと、詰めの調整を図る考えです。

首相 茂木幹事長や萩生田経産相らと会談

岸田総理大臣は7日、自民党の茂木幹事長や安倍派の萩生田経済産業大臣と相次いで会談しました。今週10日の内閣改造と党役員人事に向けて、党内の情勢や派閥の意向などについて意見を交わしたものとみられます。

岸田総理大臣は6日、自民党の麻生副総裁と会談を行ったのに続き、7日午後、総理大臣公邸で茂木幹事長や党内最大派閥・安倍派に所属する萩生田経済産業大臣と相次いで会談しました。

会談では、10日の内閣改造と自民党の役員人事に向けて、党内の情勢や派閥の意向などについて意見を交わしたものとみられます。

萩生田経産相 “大臣の職務続けることが望ましい”

萩生田経済産業大臣は8日午前の閣議のあとの会見で、内閣改造と自民党の役員人事をめぐりみずからの処遇について「最終的には任命権者である岸田総理大臣が決定することだが、1年間経済産業大臣を務め、先日もGX=グリーントランスフォーメーション実行推進担当大臣も拝命した」と述べました。

そのうえで「サハリンでの石油・天然ガスの開発プロジェクトや電力需給の問題、福島第一原子力発電所にたまる処理水の海への放出など重要な案件が控える中、当然、継続してやっていくことが望ましいのではないかと私はせん越ながら思っている。最後は総理の判断にゆだねたいと思うが、引き続き、信頼をいただいている経済産業行政をしっかり前に進めていく、そこに全力を挙げていきたい」と述べ、大臣の職務を続けることが望ましいという認識を示しました。

自民 岸田首相に党役員人事一任を決定 臨時役員会

自民党は、8日午後4時半から党本部で、岸田総理大臣らが出席して臨時役員会を開きました。

この中で、岸田総理大臣は「新型コロナや世界的物価高、緊迫の度合いを増す国際情勢への対応や安倍元総理大臣の『国葬』の準備など、喫緊の課題を乗り越えていくためには、政治・行政の空白は一切許されない」と述べました。

そのうえで「かねてよりできるかぎり早期に人事を行い、新たな体制のもとで『難局突破』、『政策断行』に全神経を集中させていきたいと考えてきた。こうした考えに沿って党役員人事と閣僚人事を合わせて行いたい」と述べ、10日に行う党役員人事への一任を求めました。

これを受けて役員会は、岸田総理大臣への一任を決め、続いて開かれた臨時総務会でも一任を決めました。

また、役員会に先立って、岸田総理大臣は、党本部で麻生副総裁と茂木幹事長と会談し各派閥の要望なども踏まえ、人事について意見を交わしたものとみられます。