JR日南線の存続めぐり議論 「維持できるか断言できず」

赤字が続くJR日南線をめぐって15日の宮崎県議会で議論が交わされ、宮崎県はJR九州側から「大きな災害があったあとも今の運行形態を維持できるか断言できない」と伝えられていると明らかにしました。

JR九州が公表している令和2年度の利用状況によりますと、日南線は田吉と油津の間がおよそ5億6900万円の赤字、油津と鹿児島県の志布志の間がおよそ3億9800万円の赤字で、特に油津・志布志間は、1日あたりの輸送量が171人とJR九州の路線の中で2番目に少なくなっています。

15日の県議会では議員から「去年も大雨による土砂崩れで長期間、不通になったが、この先どうなるのか非常に心配だ」として路線維持の見通しについて質問が出されました。

これに対して県の担当者は「JR九州からは、今後、災害などがあった場合を考えると、長期的に今の運行形態を維持できるかどうか断言できないとの話も聞いている。将来的な路線の維持、存続に対して強い危機感を持っている」と答えていました。

地方の鉄道路線をめぐっては、国も有識者らの検討会を設けて、路線のあり方の抜本的な見直しも視野に議論を進めています。

議会の終了後、宮崎県の河野知事は「災害が発生したときに、路線の復旧や持続が困難な場面に直面する可能性がある。地域の公共交通機関をどう残していくのか考えていく必要がある」と述べました。