JR四国 2020年度 全路線で赤字 採算悪化し厳しい経営続く

JR四国は鉄道路線の区間ごとの2020年度の収支を発表し、唯一黒字だった瀬戸大橋線も赤字に転じ、すべての路線で赤字だったことを明らかにしました。

JR四国が発表した「線区」と呼ばれる区間ごとの収支によりますと、2020年度は管内に18ある線区すべてで赤字となりました。

新型コロナの感染拡大前の2019年度は唯一黒字だった、本州と四国を結ぶ瀬戸大橋線の児島駅から宇多津駅の間も2020年度は赤字に転じています。

また100円の収入を得るために必要な費用を示す営業係数は、すべての線区で268円と2019年度の155円から採算が悪化しました。

採算が最も悪いのは愛媛県と高知県を結ぶ予土線の北宇和島駅と若井駅の間で営業係数は1401円。

次いで、徳島県の牟岐線の阿南駅と海部駅の間が1185円、愛媛県の予讃線海回りの向井原駅と伊予大洲駅の間が754円などとなっています。

厳しい経営が続くJR四国は、来年春にも運賃を値上げする方針を示していますが、17日発表した営業係数などを基に今後地元自治体と鉄道路線の在り方の議論を加速させたいとしています。

JR四国総合企画本部の新居準也担当部長は「厳しい経営状況にご理解いただき、運賃改定に向けた検討や利用促進策を地域の皆様と一緒になって取り組んでいきたい」と話していました。