大型クロマグロの漁獲枠
ほとんどの都道府県で増加へ

国際会議で漁獲枠を増やすことが決まった太平洋のクロマグロについて、水産庁は来シーズンの漁獲枠の配分案を示しました。

太平洋クロマグロなどの資源管理をめぐる国際会議は今月7日、日本近海を含む中西部太平洋での大型のクロマグロの漁獲枠を15%増やすことで正式に合意しました。

これを受けて水産庁は10日、関係者との意見交換会を開き、来シーズンの漁獲枠の配分案を示しました。

それによりますと、国の管理となっている沖合漁業では、来年は4391トンと、ことしに比べて956トン、率にしておよそ28%増やします。

また、都道府県ごとの沿岸漁業では来年度は全体で1740トンと今年度に比べて169トン、率にしておよそ11%増やします。

具体的には
▽青森県が506トン
▽北海道が319トン
▽長崎県が173トン
▽沖縄県が147トン
▽新潟県が97トンなどとなり
ほとんどの都道府県で今シーズンより多くのマグロを漁獲できるようになります。

一方、国際会議では現状維持となった30キロ未満の小型のクロマグロについては、沿岸漁業の配分を増やす一方、沖合漁業を減らす調整を行いました。

水産庁はこの配分案について、来週開かれる審議会で決定する方針です。

金子農相 “日本の漁業者の資源管理が評価”

金子農林水産大臣は、日本の近海を含む中西部太平洋での大型のクロマグロの漁獲枠が15%増えることについて、日本の漁業者の取り組みが資源増加につながり、それが国際的に認められたものだという認識を示しました。

また、水産庁は、大型の太平洋クロマグロの漁獲枠の一部について、来年1月から漁船ごとに割り当てるIQ・個別漁獲割り当て制度を初めて導入します。

これについて金子大臣は「これまでの総量管理では先取り競争の弊害があったが、それが是正され、より公平な形で資源の管理と利用が進むものと考えている。計画的な漁獲を行うことが可能になる」と述べ、適切な資源管理を行っていく考えを強調しました。