ウイルス排除に成功
“エイズ完治につながる発見”

エイズのワクチンの開発に取り組んでいる国の研究所は、開発中のワクチンをサルに接種した結果、エイズを引き起こすウイルスの排除に成功したと発表しました。研究所は、エイズの完治につながる発見だとしています。

エイズは免疫力が低下してさまざまな合併症を引き起こす病気で、エイズを発症させるHIVに感染したと国内で報告された人は、これまでに2万人を超えています。

国の研究機関、医薬基盤・健康・栄養研究所は、開発中のワクチンをカニクイザルというサルに接種したうえで、人工的に作ったHIVの一種を体内に入れて経過を確認しました。

その結果、7匹のうち4匹がいったんは感染したものの、その後、ウイルスが検出されない状態になったということです。

研究所は、ワクチンによって免疫の働きが増加したことで、ウイルスがサルの体内から排除されたと見ていて、5年後をめどにヒトへの臨床試験を開始したいとしています。

医薬基盤・健康・栄養研究所の霊長類医科学研究センター保富康宏センター長は「これまで困難だったエイズの完治につながる発見で、治療薬やワクチンの開発が進展することが期待される」としています。