老朽化進む原爆ドーム
保存工事の様子を公開

老朽化が進む広島市の原爆ドームで、去年から進められている保存工事の現場の様子が27日に報道関係者に公開されました。

広島市の原爆ドームは大正4年に建てられてから100年余りが経過して老朽化が進み、去年9月から塗装や亀裂の補修などの保存工事が進められています。

今は原爆ドームを取り囲むように作業用の足場が組まれ、最上部まで上ることができるようになっていて、27日は現場の様子が報道関係者に公開されました。

このうち、天井部分の鉄骨は焦げ茶色に塗り直されていて、広島市によりますと被爆からまもないころにアメリカ軍が撮影したカラー写真を参考に再現したということです。

また、レンガの継ぎ目には石灰など、当時使われていた材料を用いて補修しているということです。

工事はおよそ7割を終えた段階だということで、ことし3月末にすべて終わる予定です。

工事を担当する広島市公園整備課の佐々木正治課長は「原爆ドームは被爆の惨禍を伝える歴史の証人だ。今回の1番の特徴は塗装を当時の色に戻すことで、その姿を見て被爆の惨禍を市民や世界の人々に伝えたい」と話していました。