千葉 看護師不足 専用病床
実際に運用“7割程度”も

新型コロナウイルスの感染拡大で多くのケアが必要な高齢の感染者が増える中、千葉大学病院では看護師の数が足りず、専用に確保している病床のうち実際に運用できているのは7割程度にとどまっています。こうした傾向はほかの病院でも見られ、千葉県内の医療提供体制がよりひっ迫しているおそれがあります。

千葉県では重症化のリスクが高い高齢の感染者数が増加し、先月の1か月間で60代以上の感染者は400人を超えました。

こうした中、千葉市にある千葉大学病院では看護師の人手不足が深刻になっています。

専用の病床には業者が入れないためトイレや部屋の清掃も看護師が担っているほか、高齢の患者の場合食事や着替えなどの介助や床ずれを防ぐために2人がかりで体の向きを変えるなど、手厚いケアが必要なためです。

病院の看護師長は「防護服を着たうえで、日常生活のすべてを介助するのは非常に労力がかかる。ギリギリなんとかやれている状況です」と話していました。

病院では現在20ある専用病床についておよそ20人の看護師で対応していますが、実際に患者を受け入れることができるのは14床が限度で、残り6床を運用するにはさらに看護師を確保する必要があるといいます。

このほか千葉市立青葉病院でも看護師が不足していて、専用病床30床のうち20床前後の運用にとどまっています。

千葉県は県内全体で患者をすぐ受け入れられる専用病床の数を756、病床使用率を16日時点で45.2%と公表していますが、実態として運用できる病床はもっと少なく、県内の医療提供体制はよりひっ迫しているおそれがあります。

千葉大学病院の猪狩英俊感染制御部長は「もうかなり余裕がない状態だと思っている。病床がひっ迫した中でどう受け入れていくかどの病院も悩んでいると思う」と話しています。

これについて千葉県は「介護度の高い高齢者の受け入れにかぎりがあることは認識しているが、運用できる病床数については日々医療機関と情報交換して調整できている。県内全体でカバーできる態勢を整えている」としています。