鳥取市 ふるさと納税
過去最高ペース

鳥取市に寄付されたふるさと納税の額は、去年の同じ時期と比べて3割ほど増え、このままのペースが続けば過去最高となる見通しです。市は「新型コロナウイルスの影響で帰省できない人を中心に、寄付額が増加しているのではないか」としています。

ふるさと納税は個人が自治体に寄付すると特産品などの返礼品が受け取れ、所得税と住民税から控除される制度です。

鳥取市によりますと今年度、4月から11月末までの寄付額はおよそ3億円と、去年の同じ時期と比べて3割ほど増えています。

返礼品は今の時期、山陰の冬の味覚「松葉がに」が人気を集めていていて、現在のペースで寄付が続けば来年3月末までに鳥取市として過去最高を更新し、4億3000万円ほどになる見通しだということです。

鳥取市資産活用推進課の戸田昭弘課長は「新型コロナウイルスの影響で帰省できない鳥取市の出身者が、返礼品を通してふるさとの味を楽しみたい、感じたいという寄付が増えているとみている。いただいた貴重な寄付を市の発展のために使いたい」と話しています。

ズワイガニ高騰 返礼品での利益 ほとんど出ず

ふるさと納税の返礼品のズワイガニを発送している鳥取市の水産物直売所では、注文が増える一方、カニの価格上昇で仕入れが難しくなり、返礼品での利益はほとんど出なくなっていて、対応に苦慮しています。

鳥取県によりますと、ズワイガニは「Go Toトラベル」で飲食店や旅館からの引き合いが高まっていることなどから価格が上昇していて、地元のブランド「松葉がに」の1キロ当たりの価格は11月末の時点で去年の同じ時期と比べ3割高くなっているということです。

その一方、ふるさと納税の返礼品は寄付金額の3割以内という基準が設けられていることから、ズワイガニの価格上昇に伴ってこの水産物販売所では、決められた金額の中で質の高いカニを仕入れることが難しくなっているということです。

ふるさと納税の返礼品のズワイガニを発送している鳥取市の水産物販売所「かねまさ・浜下商店」の浜下哲爾社長は「Go Toトラベルの影響で、大きさによっては去年の倍の価格でカニが取り引きされています。そのためふるさと納税の返礼品ではほとんど利益が出ていません。本音ではこれ以上注文の数は増えないでほしいです」と話しています。