来年度の税制改正要望
新型コロナやデジタル化対応

来年度の税制改正に関する各省庁の要望が30日、提出されました。新型コロナウイルスで打撃を受けた企業の負担を軽減する措置や、デジタル化に対応した事業再編に取り組む企業を後押しする税制措置の新設などが盛り込まれています。

新型コロナウイルスの影響で、打撃を受けた企業や個人をどう支えるかが焦点になる中、各省庁は30日、来年度の税制改正の要望を財務省と総務省に提出しました。

このうち、経済産業省は、デジタル化に対応するための事業の再構築や再編に取り組む企業を後押しするため、法人税などの負担軽減につながる措置を新設することを要求しています。

総務省は、テレワークを進める企業が国の認定を受けて、地方にサテライトオフィスを整備する場合、法人税を減額する要望を盛り込みました。

国土交通省は、新型コロナの影響で打撃を受けた企業にとって、土地にかかる固定資産税の負担が増えないようにする措置を求めることにしています。

今回の要望には、暮らしに身近な税も盛り込まれています。

経済産業省と国土交通省は、車検の際に課税される「自動車重量税」の税率を燃費のよい車を対象に軽減する「エコカー減税」について、来年4月末となっている適用の期限を延長するよう求めています。

厚生労働省は、出産後の母親を対象に自治体が行っている心のケアや育児相談といった「産後ケア事業」の利用料に消費税を課税しないよう、新たに要望しています。

政府・与党は各省庁の要望を踏まえて年末に、来年度の税制改正を決めることにしています。

ただ、企業の業績悪化で法人税などの税収の減少が見込まれる中、打撃を受けた企業や個人を支えながら、中長期的にどう税収を確保していくかも大きな課題となります。