福岡市「ハンコレス」法令で
義務付け以外の書類は完了へ

市民の負担軽減と行政手続きのオンライン化を進めるため、福岡市は、国や県の法令で押印が義務づけられている物を除きすべての押印義務を廃止する、いわゆる「ハンコレス化」を9月末で完了することになりました。

福岡市は去年から、市民の負担を軽減するとともに、行政手続きのオンライン化を進めるため、市に提出される書類への押印義務を廃止する、いわゆる「ハンコレス化」を段階的に進めてきました。

その結果、市に提出される申請書などおよそ4700種類のうち、市で見直しができる保育所の入所申請書などおよそ3800種類について、9月末でハンコレス化を完了するとしています。市は当初、今年度末までに完了する予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止などのため、前倒しで取り組みを進めたということです。

一方、国や県の法令で押印が義務づけられている婚姻届や出生届など、残るおよそ900種類の書類については、引き続き押印が必要となります。

福岡市総務課長「オンライン化を加速したい」

ハンコレス化について福岡市総務課の中川原敬子課長は「押印が必要な時にハンコを忘れたという方もいて、自宅まで取りに帰っていた場合もあったが、ハンコレスになれば、ハンコがなくても署名をすれば書類の申請ができるようになる」と利便性を示しました。

そして、本人確認は書類に住所や氏名を記載してもらうことで行うとしたうえで、「市民に負担が軽減されたと感じてもらえれば幸いです。これを機会に行政手続きのオンライン化を加速したい」と話していました。

会社員女性「便利になると思う」

これについて、福岡市の城南区役所に手続きのため訪れた20代の会社員の女性は「便利になると思います。ハンコを忘れたとしても取りに帰る必要がなくなるので手続きもスムーズになると思います」と話していました。

また、70代の女性は「便利になると思いますが、ハンコがいらなくなるのは少しさみしい気もします」と話していました。