「はんこをやめろ」
府省庁に求める 河野行革相

デジタル化を推進する一環として、河野行政改革担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、すべての府省庁に対し、行政手続きでの押印の必要性を検討し、可能なかぎり不要とするよう求めたことを明らかにしました。

この中で、河野行政改革担当大臣は、「正当な理由がない行政手続きについては、『はんこをやめろ』ということを押し通そうと思う。押印の欄があっても、押さなくてもいいという扱いにして、平井デジタル改革担当大臣にオンライン化の手続きを考えてもらう」と述べました。

そのうえで、すべての府省庁に対し、行政手続きでの押印の必要性を検討し、可能なかぎり不要とするよう求めたことを明らかにしました。

そして、「はんこを押すためにプリントアウトが必要だというものが多いので、次の段階として、書面を提出しなくてもいいようにしたい」と述べました。

内閣府によりますと、現在、押印が必要な行政手続きは、およそ1万1000種類あるということです。

河野大臣は、
▽登記や確定申告など年間の利用が1万件を超える手続きは今月中に、
▽それ以外は来月上旬までに検討結果を報告し、
押印が必要なものは理由を回答するよう求めています。

平井デジタル相「100%支持」

平井デジタル改革担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、「はんこを押すことの意味も含めて見直すべきで、これはデジタル化以前の問題だ。社会全体から、はんこの問題を解決するために河野大臣と一緒に定期的に打ち合わせをしながら進めていく。河野大臣の動きを100%支持したい」と述べました。

上川法相「柔軟な思考で」

上川法務大臣は、閣議のあとの記者会見で、「手続きのオンライン化、デジタル化を進めていく中で、国民の利便性を最大限進めていくと同時に、行政の効率化についても、旧来の枠組みにとらわれない柔軟な思考で、必要な取り組みを積極的に進めていきたい」と述べました。

萩生田文科相「原則廃止の方向で」

萩生田文部科学大臣は閣議のあとの記者会見で、「政府一体でデジタル化を強力に推進するという総理からの指示を踏まえ、私は直ちに担当に指示し、文部科学省関係の行政手続の押印について、原則廃止の方向で精査を進めている。廃止できないものはその理由も含めて取りまとめを行っている」と述べました。

茂木外相「外務省はほとんど残っていない」

茂木外務大臣は、閣議のあとの記者会見で、「外務省はほとんど残っていないが、不要なはんこについては廃止する方向で検討させている」と述べました。

小泉環境相「きょうから育児休業の申請書など不要に」

小泉環境大臣は閣議のあとの記者会見で、「環境省ではきょうから育児休業の申請書や人事異動の同意書などへのはんこを不要にした。今月中には内規を改正して、出勤簿や、フレックスタイムの申告などの際にもはんこを不要にする。はんこの業務については、前例主義にとらわれず廃止する方向で速やかに見直しを行っていく」と述べました。

岸防衛相「むだの排除を」

岸防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で、「はんこを押すためだけに職員が登庁するということが、新型コロナウイルスに対応している中でも見られた。そうしたむだの排除をして、真に必要な場合を除き、押印を廃止するという方針で、順次進めたい。どうしても紙に残しておかなければいけないものもあるので、きっちりと検討しながら、できることをやっていきたい」と述べました。

小此木国家公安委員長「政府の方針に沿って取り組む」

小此木国家公安委員長は、閣議のあとの記者会見で、「前例主義の打破やデジタル化の推進については重要課題であると認識している。河野大臣からは行政手続きでどうしても押印を残さなければならないような手続き以外は速やかに廃止するよう要請があったと承知している。私も内閣の一員として政府の方針に沿ってしっかり取り組んで参りたい」と述べました。

平沢復興相「日本の行政はむだが多い」

平沢復興大臣は、閣議のあとの記者会見で、「私自身、長年役所にもいたし、今も役所の行政を見ているが、日本の行政はむだが多く、その中の一つがはんこ行政ではないかと思うので、スピードアップしてやらなければならない」と述べました。