井夫妻の自宅から2種類
のリスト押収 現金配布先か

自民党の河井案里参議院議員の陣営による選挙違反事件で、検察当局が現金の配布先とみられる地元議員や後援会幹部ら、合わせて100人以上の名前が記載された2種類のリストを押収していることが、関係者への取材で分かりました。検察当局は夫の河井克行前法務大臣が、2000万円を超える現金を地方議員らに配り、案里議員自身も一部の現金を配っていた疑いがあるとみて、国会閉会後に公職選挙法違反の買収の疑いで、河井夫妻の刑事責任を追及するものとみられます。

河井案里議員が初当選した去年7月の参議院選挙をめぐり、陣営の資金が買収に使われた疑いがあるとみて、検察当局は夫の河井克行前法務大臣や案里議員から任意で事情を聴くなどして捜査を進めていています。

関係者によりますと、河井夫妻の自宅からは現金の配布先とみられる、合わせて100人以上の名前が記載された2種類のリストが押収され、▽1つには地方議員や市長などの名前が、▽もう1つには後援会幹部や事務所関係者などの名前が、金額とともに記載されていたということです。

検察当局が、このリストなどを基に捜査を進めた結果、去年3月以降、夫の河井前大臣が、票の取りまとめを依頼する趣旨で、地方議員や後援会幹部ら100人近くに2000万円を超える現金を配り、案里議員自身も一部の現金を配っていた疑いがあることが分かったということです。

検察当局は国会閉会後に公職選挙法違反の買収の疑いで、河井夫妻の刑事責任を追及するものとみられます。

案里議員は今月9日、国会内で記者団から「買収行為はあったのか」と質問されたのに対し、「全くない」と述べ、否定しています。