金井の病院 宣言解除後
都内で初のクラスター発生か

東京 小金井市の武蔵野中央病院で、職員と入院患者合わせて9人が新型コロナウイルスに感染したことが分かりました。
都は「緊急事態宣言」の解除後、都内で5人以上のクラスターが発生した初めてのケースとみています。

東京 小金井市にある武蔵野中央病院によりますと、今月21日、職員1人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。

この職員は、患者60人余りが入院していた精神科閉鎖病棟の担当で、その後、濃厚接触のあった同じ病棟の職員2人も感染していることが分かりました。

さらに、発熱などの症状を訴えたこの病棟の患者と職員合わせて16人についてPCR検査を行ったところ、28日、新たに患者5人と職員1人の合わせて6人の感染が、確認されたということです。

病院は、この閉鎖病棟で集団感染が発生した疑いがあるとみて入院患者の一部を別の病院に転院させたうえで、初診の外来や新たな入院を中止するとともに、ほかの患者や職員の健康状態の確認を続けることにしています。

東京都は「緊急事態宣言」の解除後、都内で5人以上の感染者、いわゆるクラスターが発生した初めてのケースとみています。

武蔵野中央病院は「患者の皆様やご家族、地域の皆様にご心配をおかけして申し訳ありません。保健所の指導のもと、細心の注意を払いながらさらなる感染の拡大防止に努めたい」とコメントしています。

都 「クラスター対策班」派遣を要請

東京・小金井市の武蔵野中央病院で新型コロナウイルスの集団感染の疑いが出ていることを受けて、都は、厚生労働省に対し、対策にあたる「クラスター対策班」の派遣を要請しました。対策班は、28日から病院に入っているということです。

また都は、地元の「多摩府中保健所」に調査チームを派遣して、感染経路の特定などの支援を始めました。

都によりますと、この病院の患者と職員18人のPCR検査を行っていて、28日以降、順次、結果が出るということです。

小池知事「専門家の意見も聴いて対応」

東京都の小池知事は28日、都庁で記者団に対し、「緊急事態宣言は解除されたが、それぞれの地域で『第2波』への対策をとっている。東京でも『クラスター』が疑われている病院があるが、閉鎖された空間なので、抑え込めればと思っている」と述べました。

そのうえで、「『クラスター』だとわかっているのか不明かでは全然対応が違うので、よく中身を見ていきたい」と述べ、専門家の意見も聴いて対応していく考えを示しました。

一方で、感染が再び拡大したときの対応について、小池知事は「『東京アラート』という仕組みをつくっている。そのときには『危ない』ということを伝えていくしかない」と述べました。