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和田一浩打撃コーチ 中日ドラゴンズ 2年目は強竜打線復活を

  • 2024年02月16日

ドラゴンズは昨シーズンまで球団史上初めて2年連続で最下位に沈みました。その大きな要因は長年解消できていない得点力不足です。就任2年目を迎えた和田一浩打撃コーチが去年の苦い経験を踏まえ、どのように打線を立て直そうとしているのか。まるっと!のスポーツコーナーを担当する亀蔦なごみキャスターが沖縄県北谷町のキャンプ地で話を聞きました。

選手のオフの過ごし方に手応え

和田打撃コーチにインタビューをしたのはキャンプの第1クール。序盤だけに首脳陣も選手も手探りのところがあります。そういう時期でも和田コーチは選手と久しぶりに顔を合わせ、動きを見る中で一安心したと言います。

ブライト選手と話す和田打撃コーチ

和田打撃コーチ         
技術というよりは各選手がすごく体を大きくしてきているんです。(シーズンオフに)すごくトレーニングをしてきているのは感じます。みんなが振る力などが強くなってきたのは感じるのですごく楽しみです。スイングが全体的に強くなってきているんです。岡林選手、福永選手、ブライト選手がすごく振れるようになってきています。細川選手や鵜飼選手といったもともと力がある選手も振れるようになってきています。(キャンプで)技術を伸ばしていくのが楽しみです。僕は見ているだけなんですけどね。こっちが思っている練習方法も去年はちょっとやりすぎたという部分があって、選手たちの自主性をもっと大事にしないといけないなと。結構去年はわからず体当たりっていうのがあったんです。

去年は手探りからのスタート

強竜打線の復活を託された和田コーチは就任1年目、打撃成績を向上できませんでした。ホームランと得点は12球団ワースト。打線低迷が球団初の2年連続最下位の大きな要因でした。打力アップが至上命令の2年目に向け「1年間、選手のプレーを見続けた経験を生かせる」と大きな不安は感じていないと言います。

和田打撃コーチ
ずっと点が取れない取れないと言われているチームなので、もちろんそこに責任をもってやらなくてはいけない。去年はわからず体当たり的な部分があったんですけど、こういうバッティングをしてきているっていうのをある程度、頭に入っているので、その中での改善点だったり、伸ばしていった方がいいところはある程度見えているので、接し方はその時点でだいぶん変わると思いますね。

大ブレークの細川選手を支える

チームの打撃成績はふるいませんでしたが、和田コーチは去年、現役ドラフトで移籍してきた細川成也選手を大ブレークさせました。細川選手はチーム最多の24本のホームランをマーク。ドラゴンズの日本選手で1シーズン20本のホームランは、実に13年ぶりのことでした。背景には去年春のキャンプで「気づき」を与えるために行ったさまざまな練習メニューがありました。その中でもテニスは打撃開眼に大いに役立ったようです。

2023年のキャンプでテニス練習をする細川選手(右)

和田打撃コーチ
去年テニスの練習をしてから、細川選手は何かひらめくものがあってヒントをつかんでくれたと思っています。ただそれをバッティングにつなげるには選手の感性があります。彼自身がすごく練習をして、違ったものをうまく自分の中に消化できたところでヒントになったと思います。正直バットを振っていたのは細川選手。僕らの仕事は選手が打ってくれるのがもちろんいいので、アドバイスはします。ただやるのは選手なので、僕らが関わったから、アドバイスを受けたからというのはちょっと自分の中では違うと思います。ヒントをつかんでほしいとは思います。実際自分もそうだったんですけど、いろんなヒントをもらって、自分でつかんでいくしかありません。実際にバッターボックスで打つのは自分なので、僕たちコーチは選手にバッターボックスでピッチャーと対峙した時に、どう対応するのかについてのヒントを与えているだけです。僕が言ったから打てるということはないんです。正直なところ。

もう1人の長距離打者・鵜飼選手は伸び悩み

細川選手が活躍した一方でもう1人、重点的に指導をした3年目の鵜飼航丞選手は昨シーズン、打率1割台でホームラン3本。入団以来、期待されている長打力を発揮できていません。和田コーチは鵜飼選手は技術を身につけるのに時間がかかるタイプと分析しています。

鵜飼選手の打撃練習を見守る和田打撃コーチ

和田打撃コーチ
鵜飼選手とは去年いろんなデータを見て、体の使い方をはじめ、いろいろしてきているので、彼の頭の中にも「こうしたい」というのが明確にあるんですね。ただ正直、不器用な選手なんです。やろうと思うことが例えばふつうの選手が100回でできることが彼は100回ではできないんです。200回300回とかかるのでなかなか大変なんです。あれもこれもやれるほど器用ではないので、彼の中でこれだけはやるというものを1つやり続けて、そこからつかんでほしいと思います。基本的には下半身の使い方があまり上手ではないので、それが使えるようになったら、全部合ってくるというか連動してきます。スタートである土台の部分がうまく機能していないので、そこの使い方を覚えれば自然と噛み合ってくるイメージです。簡単に言いましたが、そこが難しいところなので、その1つの動きというかやりたい動きをするために、いろんなことにトライしながら、やっていかないといけないと感じています。

鵜飼選手には再び「気づき」与える

和田コーチはこのキャンプで、鵜飼選手に改めて「気づき」を与えようとしています。第1クールで目にしたのは、打撃ケージのそばにあったたくさんのボールが入ったケースを持たせてスイングの動きをさせた場面です。和田コーチは目指すスイングに役立つとひらめき、体の使い方の理解につなげようとしたのです。

ボールが入ったかごを持つ鵜飼選手(左)

和田打撃コーチ
重たいものを持つ時に手が離れてしまうと重たいですよね。バットも体の近くで振れば、力が伝わることをものでちょっと体験してもらいたかったんです。彼が納得してくれれば、そうやって(バットを)使わないといけないと感じてくれると思います。いかに数多く彼にそういった刺激を与えられるかはすごく大事なんじゃないかと思っています。

去年に続いて全体練習後にマンツーマンの指導を受けることがある鵜飼選手は、和田コーチのアドバイスを生かして3年目となる今シーズンを飛躍の年にしたいと意気込んでいます。

和田打撃コーチへの思いを語る鵜飼選手

鵜飼選手
僕のいいところを伸ばして、できないところを少しずつできるように、今はしてもらっています。レギュラーをつかめるだけの打力があることを結果で示したいです。育てて良かったと思ってもらえるようにしていきたいです。和田コーチはいずれは超えたい存在です。

選手の個性に寄り添った指導で

選手が自分の強みを見つける時期という春のキャンプ。和田コーチは選手としっかり向き合ってアドバイスを送り続けることにしています。

和田打撃コーチ
選手が今、成長する過程にあるチームなので、すごくやりがいを感じています。選手が自分の目指す方向や道をしっかり理解しながら進めるようアドバイスをしていきたいです。キャンプはいろんなことにトライできるんですね。逆にそれが回り道になることがあるので、なるべく選手たちが迷わずに自分が目指すところにいけるようにしたいです。技術を上げることによって、いろんなパターンで点が取れるチームに変わっていきたいです。バンテリンドーム ナゴヤでいきなり1試合で5点取るのは難しいので、やっぱりここで1点を取れば勝てるとか、ここで1点を取ることができれば、いい形で試合を運ぶことができるとかそういったことを考えていきたいです。大事な時に1点が取れる打線になるといいですね。

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  • 亀蔦なごみ

    NHK名古屋 スポーツキャスター

    亀蔦なごみ

    愛知県東海市出身
    夕方のまるっと!でスポーツコーナー「月スポ」「金スポ」を担当。プロスポーツから地域のスポーツまで取材をしています。 趣味はもちろんスポーツ観戦! 中学高校6年間ソフトボールをしていました。 

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