ページの本文へ

NHK名古屋のおすすめ

  1. NHK名古屋
  2. 名古屋のおすすめ
  3. ドラゴンズのエース 大野雄大投手 チームが勝てばいい

ドラゴンズのエース 大野雄大投手 チームが勝てばいい

  • 2023年05月02日

ドラゴンズのエース、大野雄大投手はことし9月で35歳。プロ13年目はルーキーだった2011年以来の優勝を目指している。今シーズンは台頭してきた若手ピッチャーに期待を寄せながら、自身も戦力となって、セ・リーグの頂を目指す思いを語った。

このチームで勝ちたい シンプルな思い

大野投手
僕を押しのけてやってくれて、チームが勝てばいいと本当に思っています。

大野投手はここ数年、防御率はリーグ屈指の成績を残してきたが、打線の援護に恵まれないことが多く、勝ち星は2020年の11勝が最多。それでもチームが勝つために腕を振り続け、2019年のノーヒットノーラン達成や2020年の沢村賞受賞など輝かしい実績を残した。また「このチームで勝ちたい」という思いからFA権を行使せずに残留。冒頭のことばは紛れもなく大野投手の本音だ。

沢村賞受賞の会見で喜びの表情を見せた(2020年11月)

若手の台頭に見せたい背中

ドラゴンズでは若手ピッチャーの台頭が顕著だ。そこに自分の活躍が加われば、優勝に手が届くという手応えを感じている。ただ1年間、先発ローテーションを守り続けたピッチャーは多くない。だからこそ、自分の背中を見せたいという。

ノーヒットノーランを達成しファンに挨拶(2019年9月)

大野投手
(若手ピッチャーの台頭は)頼もしいですよね。僕は13年目になりますが、ここ10年くらいはローテーションを守ってきて、なかなかそういうピッチャーが出てこなかったんです。チームにとっていいことですし、僕もまだまだ負けていられない。負けずに「やっぱり大野はいいピッチャーやな」と思って頂けるような成績を残したいですね。

若手ピッチャーには、目の前の勝利はもちろん大事だが、一歩引いて自身のピッチングを振り返る冷静さも欠かせない。ただことばで伝えるのは難しいため、自分が日々行う練習での姿から感じ取ってもらいたいと考える。

本拠地開幕戦で登板し7回1失点(2023年4月4日)

大野投手
けがであったり、調子の波が出てくるのがこの世界。もちろん勝ったらうれしいし、負けたら悔しいんですけど、その試合が終わった瞬間に次のことを考えないといけないんです。次はこうしようとか。(若手ピッチャーには)大野さんはこんな感じに投げてるんやと。だから1年間投げられるんやなと見てもらってですね。どんどん成長してもらうことが、僕の見せていく姿なのかなと思います。

左対左の場面でインコースのツーシームに手応え

大野投手の昨シーズンの防御率はリーグ4位の2.46。エースとしてさすがの成績を残したが、30代半ばとなり、ボールの質は若かった時と比べて落ちたと感じている。そのなかで3年ぶりのふた桁勝利を目指すため、ピッチングの組み立てを見直した。課題にあげたのが左バッターの被打率。去年は2割7分5厘で、右バッターの1割7分6厘と比べておよそ1割も悪い数字だった。左バッター対策として、春の沖縄キャンプで取り組んだのがツーシームの習得。ツーシームは左バッターとの対戦では、手元で小さく変化しながらバッター側に食い込んでいく。そのツーシームをインコースに投げきることができれば、被打率を下げることができると考えたのだ。実際にオープン戦での左バッターの被打率は6分7厘とほとんど打たれなかった。

大野投手
詰まらせてのセカンドゴロとかが増えました。左打者を抑えることができれば、失点が減ってくると思いますし、守りの時間も短くなります。トータルの数字もよくなってくると思います。

ファンと喜びを分かち合いたい

沖縄のキャンプでは、練習の合間に足を止め、ファンにサインを書く大野投手を何度も見かけた。チームが長らく低迷する中でも、応援を続けてくれるファンには感謝の気持ちでいっぱいだと言う。

大野投手
ファンの皆さんは弱くても、ここまで応援しているので、その思いに本当に応えたい。一緒に喜びたいと思っています。しっかりてっぺんを目指してやりたいです。

(取材後記)
大野投手は4月4日の本拠地での開幕戦で負け投手にはなったが、7回1失点(自責点0)の好投を見せた。その後、4月10日に1軍の出場選手登録を抹消され、左ひじの遊離軟骨の除去手術を行った。エースの離脱はチームにとって大きな痛手だ。大野投手にとってもショックだったに違いない。そんな中で開幕投手を務めた小笠原慎之介投手に「あなたは自分のやれることだけやりなさい」とメッセージを送っていた。エース候補の後輩サウスポーに対して、必要以上にプレッシャーを与えないよう意識した文言にベテランらしい気遣いを感じた。8月の復帰が見込まれる大野投手が1軍に戻ってきた時に、チームが優勝を目指せる位置にいることを期待したい。

  • 竹内啓貴

    NHK名古屋放送局 記者

    竹内啓貴

    平成27年入局 愛知県出身 中京大中京高時代は野球部で甲子園出場 慶応大でも野球部に所属 ドラゴンズを担当して3年目

ページトップに戻る