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細川成也 ドラゴンズ 現役ドラフト経て プロ7年目でなぜ開花?

  • 2023年11月21日

球団史上初めて2年連続で最下位に終わったドラゴンズ。攻守にふがいない試合が多かったが、その中で希望の存在とされたのが25歳の細川成也選手だ。去年始まった現役ドラフトの成功例とも言われる。今季は打線の主軸を担って140試合に出場し131安打、24本塁打、78打点。あらゆる部門でキャリアハイどころかDeNAでプレーした6年間の通算成績を大きく上回った。11月に行われた秋のキャンプでは球界を代表するホームランバッターを目指し、飛躍に導いてくれた恩人と改めて課題の克服に取り組む姿を取材した。
(NHK名古屋放送局 ドラゴンズ担当記者 猪飼蒼梧)

朝から晩までバットを振り続けた秋のキャンプ

充実の7年目を終えた細川選手は11月の秋のキャンプで一心不乱にバットを振り続けた。日中の全体練習が終わるとバッティングケージに入ってフリーバッティング。そして順番を終えるとトスバッティング。さらに外が暗くなったら室内練習場に移動。午後7時まで1人練習を続けることもあった。飛躍を遂げた今季の成績に満足せず、さらなるレベルアップを図って来季に備えたいという思いがあるからだ。

鬼気迫る表情で打撃練習に取り組んでいた細川選手

細川選手
もっと上に行くためには自分は人よりもたくさんバットを振らなきゃいけないと思います。僕自身2軍生活が長かったので、ことし1年だけで終わらないように、来年もっともっといい成績を出すためにはやっぱり練習しかないと思っています。

初の現役ドラフトは最後のチャンス

細川選手は茨城県の明秀日立高校からドラフト5位でDeNAに入団。甲子園出場経験はなかったが、高校生離れした長打力が期待されてのプロ入りだった。そして入団1年目にさっそく離れ業をやってのけた。2017年10月3日のドラゴンズ戦で迎えたプロ初打席での初ヒットがスリーランホームラン。翌日にも2試合連続となるホームランを打った。

プロ初ホームラン (2017年10月3日)

さらにクライマックスシリーズ、日本シリーズでも出場機会を得るなど、高校卒業のルーキーとして潜在能力の高さを見せたのだ。しかしその後は毎年レギュラー候補として期待されるも打率は1割台から2割台前半。持ち味の長打力もなりを潜め、6年間の通算ホームランはわずか6本で1軍に定着できなかった。そうした中で出場機会が少ない中堅選手の移籍活性化を目指し去年12月に初めて行われた「現役ドラフト」を経て細川選手はドラゴンズに移籍。ラストチャンスをもらった新天地での入団会見で覚悟を示した。

ドラゴンズの入団会見では静かに意気込んだ(2022年12月16日)

細川選手(入団会見で)
新たなスタートで楽しみです。自分自身チャンスだと思ってやっていきたいです。長打力が魅力だと思うので、結果を出してアピールしたいです。どこの球場でもホームランを打つ自信はあります。チームの戦力になれるように優勝に貢献できるようにやっていきたいです。

飛躍のきっかけつかんだ春のキャンプ 

背水の覚悟で参加した2月の春のキャンプ。和田一浩打撃コーチとの出会いが飛躍のきっかけとなった。和田打撃コーチは西武からドラゴンズにFA=フリーエージェントの権利を行使して移籍。40歳を超えて通算2000本安打を達成するなど、ベテランと言われる年齢になっても卓越した打撃技術で活躍を続けた。

和田一浩打撃コーチ

和田打撃コーチは細川選手のバッティングを見て、パワーはあるが体の使い方が身についていないと分析。一風変わったメニューを取り入れて、細川選手の「気づき」に期待した。テニスラケットでボールを打つメニューには強い打球を飛ばすための要素が含まれているという。強い打球は軸足(右足)でしっかり踏ん張って「ため」を作り、ボールに力を伝える必要がある。打席に立った時にも欠かせない感覚を体に覚え込ませようとしたのだ。キャンプ序盤はとりわけ、和田打撃コーチによるマンツーマンで徹底的にバッティングの「肝」について指導を受けた。

ラケットを使った練習などで右足の使い方をたたき込まれた

和田打撃コーチ
打球の飛距離は出る選手だが不器用な部分があるので、いろいろな刺激を入れながら、こういうのはどうだとか、問題を出しながら体の使い方を覚えていったらいいのかなと思っていました。

開幕1軍入りで5月の月間MVPにも選出

オープン戦でアピールに成功した細川選手は開幕1軍を勝ち取り打線を引っ張る存在になった。5月には打率3割6分、ホームラン5本をマークし、プロ7年目で初めて月間MVPに輝いた。5月27日には大リーグでその年に活躍したピッチャーに贈られるサイ・ヤング賞の受賞経験があるDeNAのバウアー投手から1試合2本のホームランを打った。

5月27日DeNA戦 バウアー投手からこの試合2本目のホームラン

7月には初めてオールスターゲームに出場。ホームランダービーでは並み居る長距離バッターを抑えて決勝に進出した。そして9月2日の広島戦でドラゴンズの日本選手では和田・森野両打撃コーチが13年前にマークして以来となる20号ホームランを打った。広いバンテリンドーム ナゴヤを本拠地とするドラゴンズでは達成するのが極めて難しい節目の数字を残し、それまでの指導に恩返しをした。

9月2日広島戦 20号ホームランを打った細川選手

細川選手
心機一転チームも変わって、新たな気持ちで入れましたし、監督や和田コーチなど多くの人に出会いサポートしてもらったシーズンでした。いろいろな人に感謝したいです。特に和田コーチにはバッティングの1から10までたくさん教えてもらいました。結果を出せたのも和田コーチのおかげだと思っています。

終盤は相手マークに大苦戦 打率が急降下

シーズン開幕から貧打にあえぐドラゴンズ打線の中で気を吐いていた細川選手だが、シーズン終盤は深刻な打撃不振に陥った。細川選手を抑えることでドラゴンズの得点力が落ちるため、相手チームの投手陣は対応できていなかった低めの変化球を中心にした配球で攻め続けたからだ。9月は月別では最多の6本のホームランを打ったが、打率は1割4分9厘と大きく落ち込んでしまった。

細川選手
1年間戦うのは僕自身初めてだったので、この波をどうにかなくさないと1年間通していい成績が残せないなと本当に感じました。インコースのあとの変化球や落ち球が増え、攻められ方も多少は前半戦と比べたら変わったと思いますし、僕自身がもっと対応していかないといけないなと思いました。

実質2年目となる来年のシーズンに向け、11月に行われた秋のキャンプでは課題克服に取り組んだ。和田打撃コーチと改めて行っていたのが、軸足に「ため」を作る打撃フォームの確立。大きく歩幅をとったトスバッティングなどで軸足を意識したバッティングを再確認した。

新たに始まった現役ドラフトを経て、細川選手はプロ7年目で開花した。持ち味の圧倒的な長打力をさらに磨き、来季は最下位を脱出し13年ぶりのリーグ優勝を目指すと意気込んでいる。

細川選手
来年は1試合1試合を大切に勝ちにこだわってやっていきたい。やっぱり勝たないと面白くないですし、ドラゴンズで優勝したい。ホームランに関してはことしは24本だったので来年は30本打ちたいです。

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  • 猪飼蒼梧

    名古屋局 記者

    猪飼蒼梧

    入局5年目。
    ことし8月からドラゴンズ担当。
    小学生のころはテレビで年間100試合以上プロ野球観戦していました。

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