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移住者急増 宮崎県綾町の秘密 NHK福田裕大アナが旅で発見!

綾に魅せられて
  • 2024年04月26日

 

移住者が集まる 自然と農業の町「宮崎県綾町」

町の真ん中を流れる綾北川

新企画「アナウンサー季節の旅」。初回は、宮崎県中西部に位置する東諸県郡綾町へ。日本最大級の照葉樹林で知られ伝統工芸も盛んです。およそ6600人が暮らしています。実は、綾町にはここ数年、毎年80人以上が県外から移住しています。移り住んだ人たちの姿を通して、綾の魅力を探りました。

綾といえば、照葉大吊橋!

 

新緑の木々!癒されます

綾町といえば、照葉大吊橋。ということで、旅はここからスタートです。高さ142mの大迫力。ヤマザクラの季節が終わり、新緑の木々が広がっていました。

実は私、高いところが大の苦手です。結局1歩が踏み出せず、橋を渡れませんでした。また、リベンジしに行きます。

福岡県から移住 手すき和紙職人 福田雅美さん

最初に訪ねたのは、2020年に福岡県から移住した福田雅美(ふくだ まさみ)さんです。手すきの和紙を作るために綾町に移り住みました。

和紙の原料となるのが、こうぞの皮。綾町で採ったものも使っています。

「かごたくり」

この日は、皮の表皮を削り落とす作業「かごたくり」を見せてくれました。水に浸したあと、茶色い部分を削り落としていきます。福田さんの手さばきで、茶色い皮があっという間に削られていきます!みているだけで気持ちいい感覚になりましたが、なんとここで…。

私も挑戦!

私も挑戦することに!正直「まぁできるだろう」と思っていました。ところが、力を入れても全く皮が削れず、手が動きません。早々にギブアップしました。職人の技を実感しました。

福田さんは宮崎市の出身です。小さい頃から、1枚1枚表情が違う「和紙」に魅力を感じ、和紙作りを生業にしたいと、福岡県八女市で7年間修行しました。紙すきを学ぶうちに、地元宮崎県に戻って和紙の文化を引き継ぎたいとの思いを膨らませていったそうです。

綾の水

技術を身に付け、2020年、故郷に戻ることにしました。その夢を実現させるのにあたってポイントになったのが、和紙作りに欠かせない「水」でした。上質な和紙を作るため、福田さんが選んだのが「綾の水」だったのです。

福田さんは、和紙作りに適した水質の地下水を探し求め、いまの場所に工房を構えました。

福田さん

子どもの頃から(綾で)川遊びをしていて、水がいいイメージがありました。
今ではほかの分野のいろいろな作家さんと知り合いになれて、他の工芸と和紙とでコラボした商品を作ってみようと試みたりしています。

和紙で作られた名刺(後)と名刺入れ(前)

福田さんから和紙で出来たすてきな名刺をいただきました。紙独特のザラザラした触感があり、見て、触って、和紙を堪能しました。福田さんの和紙は、綾城クラフトの城、ふれあい館内の雑貨屋さんなど、綾町内で3か所で取り扱っているそうです。

NZ・ドイツを経て移住 ワイン造り 香月克公さん

 

ぶどうの新芽を確かめる香月さん

次に出会ったのは、宮崎市出身の香月克公(かつき よしただ)さんです。ぶどうの栽培からワインの醸造までを手掛けています。ニュージーランド、ドイツと、海外での修行を経て、綾にやってきました。

 

なんの作業でしょう?

新芽を確認する香月さんの近くに、不思議な作業をしている方が。枝を叩いています。これ、実は虫を落としているんです。香月さんは農薬を使わずにぶどうを栽培しています。どうしても虫が寄ってきてしまうため、手作業で取り除いているといいます。

7年前に完成したワイナリー 香月さん自らデザインに携わりました

続いて収穫したぶどうをワインに加工するワイナリーに案内してもらいました。

この機械。ぶどうの枝を取り除き、実だけにするものです。

香月さん

ハンドルを手で回します。人力なんです(笑)。普通(のワイナリー)は機械化されていて、スイッチ1つで何百トンというぶどうを一気に処理しますが、私たちは筋肉を使ってできるものはすべて筋肉でやろうと・・・。

手作業を大切にする香月さん。海外での経験がその理由だといいます。

ドイツの小さな家族経営のワイナリーで修業していたとき、近くの住民にワイン造りを体験してもらう機会がありました。そこで人とのつながりに感動して・・・。

手作業の部分が多いからこそ、一緒に作業ができると感じました。

だから私も、できるだけ手作業でできる部分を増やし、綾の人にもワイン造りを体験してもらったりしています。

3種類のぶどうをブレンドしたワイン

そんな香月さんが作るワインをいただきました。春の季節にぴったりという、3種のぶどうをブレンドしたオリジナルのワインです。すっきりとした飲みやすさ、甘み、ほのかな酸味がマッチし、本当においしかったです。ワインについて、勉強してみたくなりました!

香月さんの作るワインは宮崎県内をはじめ、九州・関東・関西などで販売されています。

千葉県から移住 農家の食を支える 髙木麻巳子さん

 

千葉県から移住した、髙木麻巳子さん

香月さんおすすめのレストランに案内してもらいました。店主は、千葉県から移住してきた髙木麻巳子(たかぎ まみこ)さん。綾町産の野菜を使ったランチを提供しています。地元の農家さんもよく集まるそうです。

 

ご飯も大盛りにしていただきました!

この日のメニューは、チキン南蛮、手作りのパン、綾町産の野菜。ご飯も大盛りに。大満足です。

 

髙木さん

綾には農家さんがたくさんいます。おいしい野菜、安全な野菜を作ってくださっているんですが、自身の食事が少し疎かになっていると聞いて。せめて1日1食だけでも、バランスよく食べてほしいなと思って。

身体も心も満たされました。ごちそうさまでした。

ランチ営業は基本週2回(火・木)で正午~午後2時。菓子やパン類のみテイクアウトできる日は正午~午後1時(不定期)。詳しくはSNSで発信しているそうです。

長野県から移住 ケール農家 小林正明さん 有希さん

 

雨が降ってきました。その中、畑で作業している人が。香月さんに紹介してもらった、小林正明(こばやし まさあき)さん、有希(ゆき)さん夫婦です。長野から移住してきました。

 

ケール

育てているのは、ケールという野菜。食物繊維やビタミンCなどをバランスよく含んでいます。県内では、まだほとんど栽培されていないそうです。冷涼な地で育ちやすいため、ここでは冬から春にかけて収穫しています。

正明さん

葉っぱの部分を根元から収穫しています。シーズンが終わりに近づいているので、色を見ながら収穫しています。

私が驚いたのは、2人の作業スピード。ものすごく速いんです!私も収穫を体験したのですが、なかなかうまく穫ることができず…。あっという間に収穫を終える2人をみて、プロの技を感じました。

摘み取ったケールは、出荷作業を行うハウスに運び、箱詰めします。ここでチェックしなければいけないことがあるといいます。

イモムシの卵
有希さん

これ。イモムシの卵なんですけど。葉っぱの裏についていることが多いので、裏に卵が付いていないかを見ています。

長野でもケール栽培に取り組んでいた2人。宮崎の、綾の、自然が大好きだそうです。

 

宮崎に来て、ずっと自然を感じ続けています。冬でも花が咲いていますし。常に一定の自然の豊かさが感じられて、穏やかですね。

 

有機農業の歴史が町の中で隅々まで根付いているので、たくさんの人が応援してくれて驚いています。綾のお世話になった人たちに恩返しできるような農家になりたいです。

ケールは、オリーブオイルでじっくりと焼き、塩をかけて食べると、素材本来の味が感じられるそうです。肉と混ぜて、焼肉丼にするのもおすすめだそうですよ!

旅を終えて

 

小林さんのハウス

綾町には豊富な水や緑がありました。この「自然」や「人」と関わりながら暮らす皆さんに出会い、綾にやってくる人が多い理由が分かった気がしました。みなさん、ありがとうございました!また遊びに行きます!

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