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「南海トラフ」でも警戒 津波の高さは震度だけで決まらない 震度3でも30mまで駆け上がった津波 一体なぜ?

  • 2024年04月18日

宮崎の山のふもとに、ひっそりとたたずむ京都大学防災研究所。ここで、日々研究を行う山下裕亮さんは南海トラフ地震への警鐘を鳴らす研究者です。「南海トラフ地震」について、私たちが感じる素朴な疑問や質問にお答えいただきます。

津波の脅威

「南海トラフ地震」では、宮崎は最大震度は7、そして最大17mの津波がやってくると想定されています。最悪の場合、死者は1万5千人、建物の倒壊は8万棟にものぼります。山下先生は地震の揺れへの備えと同様に津波への備えを警戒しています。

山下裕亮さん

強く揺れた時には、もちろん大きな津波が来るっていうのは、みなさん直感的に分かると思うんですけど、揺れが小さいからといって津波も小さいというのは大きな間違いです。

山下さんが例にあげたのは、いまから128年前に起きた「明治三陸地震」。岩手県を中心におよそ2万2千人の死者を出しました。津波の高さは最大30メートル以上にものぼりました。大きな被害が出たこの地震。しかし、揺れはそれほど大きくなかったのだと言います。

津波の高さは最大30メートル以上にものぼった「明治三陸地震」
山下裕亮さん

「明治三陸地震」の震度がだいたい2~3なんですよ。当時の人は地震が起こったと分かっていたけど、普通に生活していたら大津波がやってきて一面津波にのまれてしまいました。

気をつけるのは揺れの「強さ」ではなく「長さ」

例えば地震の規模を示すマグニチュードが9だった東日本大震災。揺れは3分も続きました。規模の大きな地震は、比較的揺れが長く続くのです。南海トラフ地震についても、小さな揺れが長く続いたときは注意が必要だと言います。

山下裕亮さん

例えば宮崎県から遠い愛知県の沖合いだったりとか、静岡沖合でマグニチュード8.5ぐらい地震が起こったとしましょう。そうすると恐らく宮崎県で震度は7揺れるわけがないんですよ。大体震度3とか4になるかもしれません。ただし、震度1であっても2であってもすごい津波がやってくることは十分あります。

こちらは山下先生も研究でたびたび訪れるという、地震大国・ニュージーランド。政府が発行しているこんなパンフレットを紹介してくれました。

地震大国・ニュージーランドのパンフレット
山下裕亮さん

地震が長かったら、もしくは強かったら避難してくださいと描かれてるんですよ。長い方が実は先なんです。日本では「強い揺れ=大きな地震」と思われているかもしれませんけど、世界では長い揺れほど気をつけろと言われています。みなさんが気をつけて頂きたいのは揺れの長さです。これは命を守るためにぜひお願いしたいところです。

マグニチュードの規模

今年1月に地震が発生した能登半島ですが、珠洲市では、去年5月に震度6強を観測する地震が発生していました。このときは1人が死亡、住宅の被害はおよそ1300棟あまり。一方、今年1月の地震では、同じ震度6強だったものの、103人が死亡、住宅の被害は9500棟にのぼり、その被害の規模は大きく異なります。

その理由は地震の規模を示すマグニチュードの違い。去年5月の地震は6.5、今年1月の地震は7.6。マグニチュードが1違うだけでエネルギーはおよそ30倍の違いがあります。震度6弱以上を感じた揺れの長さも去年5月は13秒今年1月は51秒と、観測した揺れは同じでもこちらも大きく違うんです。

2023年5月と2024年1月の地震の比較

「揺れが小さくても津波は来る」「長い揺れに注意」。山下先生の教えをしっかりと頭に入れておきましょう。

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