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NHK宮崎アナウンサー滑川和男 綾町の昭和レトロなグッズに歓喜

綾 雛山まつりの現地取材情報も!
  • 2023年02月28日

生れも育ちも昭和時代!NHK宮崎アナウンサーの滑川和男です。昭和レトロブームと言われて久しいですが、綾町のコレクターが集めた昭和レトログッズが凄いことになっている!という噂を聞きつけて、行ってきました。はじめに言います。「懐かしい~!」って言葉、何回言ったか分かりません。きっとあなたも昭和時代にタイムスリップ!!若い世代には新鮮な気持ちで見てもらえると思います。

綾てるはドームの近くでは河津桜が満開でした

豆腐店の倉庫が大変なことに!

徳丸健一さんと美保子さん

昭和レトログッズを集めているのは、綾町で代々豆腐店を営む徳丸健一さん。お隣は妻の美保子さんです。グッズが集められている倉庫は1階と2階のフロアに分かれていて、アイドルやスターのポスターから懐かしの家電製品、音響機器、雑誌やレコードなど、ありとあらゆる物がぎっしり詰め込まれています。全ては紹介しきれないので、滑川のココロにヒットしたものを中心にご紹介します。

コレクションの2階

いま家庭の壁掛け時計は電池や電気で動くものがほとんどだと思いますが、かつては定期的にぜんまいを巻いて動かしていました。子どもの頃に、止まった時計のぜんまいを巻くように親に頼まれて、脚立や椅子に上って、背伸びをしながら巻いた記憶が蘇ってきました。なぜか土曜日とか週末に時計が止まって、ぜんまいを巻いていたような…。まさにアナログな仕掛けですが、それなりに正確に時を刻んでいたんですよね。いや~懐かしい~!

これは何だか分かりますか?分かる方は、きっと私よりも上の世代だと思います。唐箕(とうみ)と呼ばれ収穫した穀類に含まれる籾殻や藁屑を風で飛ばすものです。私の実家も米作りをしていたので分かりますが、昭和30~40年代初め頃までは使っていたんじゃないですかね。同じような古い木製の機械が徳丸さんの倉庫には何台もあります。家にあったものをコレクションに加えてくれないかと、徳丸さんのところに持ってくる方がいるのだとか。手回しのハンドルを見ると、時計のゼンマイと同じように、回したくなります。懐かしい~!

『ヤミ酒をやめて楽しい酔いごこち』というポスターは、流石に「懐かしい~!」とはなりませんでしたが、当時の国税局が作ったもののようですね。密造酒が出回った頃の社会の混乱とは裏腹なポップなテイストのポスターに興味が湧きました。

2階のコレクションスペースの一角には徳丸さんの作業机があります。ちょうど、ダブルカセットのステレオを修理しているところでした。憧れましたね、ダブルカセット!好きな曲を集めてオムニバスのカセットを作ったりして。徳丸さん、簡単な修理であれば、部品を取り寄せて自分で直してしまうそうです。まるで秘密基地のようで羨ましい!手元を照らす電気スタンドも昭和レトロ!

ご夫妻は高校時代からのお付き合い
そして コレクションへの理解…

徳丸さんご夫妻はともに綾町出身、高校時代からのお付き合いです。健一さんの趣味をどう思いますかと美保子さんに聞くと「もう諦めてます…笑」といいつつ、美保子さんも、集められた品々に愛情のまなざしを注いでいる様子がうかがえて、理解あっての素晴らしいコレクションだなと納得した次第です。

コレクションの1階

コレクションの1階には、スターのポスターやアイドルのLPレコードのアルバムジャケットなどが飾られています。中学高校時代に逆戻りしました!

倉庫の中を柔らかく照らす照明が、まるで昭和の路地裏のような雰囲気を醸し出している徳丸さんのコレクション。ラジオからも温かい音が聴こえてきました。真空管ラジオですね。いつものラジオ第一放送も何だかより味わい深く聴こえてきて不思議です。

懐かしいラジカセやオープンリールのテープレコーダーにココロを奪われていると、徳丸さんが扉のついたラックを開けてくれました。おお!そこから現れたモノ、何だか分かりますか?ラジオとカセットレコーダーとテレビが一体になった、ラジカセならぬ「ラテカセ」です!1970年代、少年たちの心を鷲掴みにしました。テレビは3インチほどのモノクロですが、自分の部屋でテレビを見られたらどんなに魅力的だろうと想像を無限大に膨らませたものです。同じものが2台ありますが、徳丸さんは1台では不安で予備機を思わず入手してしまったそうです。ラテカセへの憧れ、徳丸さんも強かったんですね。

昭和の家電は花柄だった…

昭和の家電や調理器具なども多くあります。トースターにポット、そして鍋。みんな花柄です。花柄が幸せの象徴と考えられた時代だったのかも知れませんね。いま見ると、原色の大胆な柄がサイケデリックに感じます。そうそう、いまのポットは水を入れると自動で沸騰して、保温もしてくれますが、昔はやかんで沸騰させてポットに入れて保温していたんです。だから、いずれぬるくなります。このあたりの感覚もいまの若い世代には理解しづらいかも知れません。

滑川少年の相棒!
キックスケーターの元祖がここに

私の少年時代の記憶が大いに揺さぶられたのがこちらです!キックスケーターの元祖のような遊具です。キックスケーターは地面を足で蹴って進みますが、こちらはT字のバーを足で押すことで後輪を回して進みます。小学校低学年だった滑川少年も、この遊具をねだりにねだって、何とか購入してもらいました。色はまさにイエロー!懐かし過ぎて、じわっときてしまいました。当時あまり友達がおらず、この遊具がたった一人の遊びにいつも付き合ってくれたなぁと…。

綾の町を賑やかにしたい!

これだけ貴重なコレクションだと大事に保管して自分だけで眺めて楽しむというケースもあるかも知れません。でも徳丸さんは違います。毎月第一日曜日の午前10時から午後3時まで、膨大な昭和レトロコレクションを一般に公開しているのです。保管しているレコードもプレーヤーで自由にかけられるようにします。太っ腹ですね~。そこには、徳丸さんの綾に対する思いがあります。「コロナ関係なく最近、綾の街が寂しくなってしまった。少しでも人を集めて賑やかにしたい」2月23日(木)から3月5日(日)まで開かれる「綾 雛山まつり」の終盤、4日(土)と5日(日)には、特別に2日間公開されます。昭和をリアルタイムで体験した世代も平成以降に生まれた若い世代も、徳丸さんのコレクションに触れてみて下さい。入場は無料です!

綾 雛山祭り(3月5日まで)

徳丸さんのお宅も「綾 雛山まつり」の会場のひとつになっています。まつり初日のこの日も多くの家族連れが訪れて雛山見物をしたり、スタンプラリーに参加したりしていました。
雛山まつりについてはこちらのWEB特集をご覧下さい。
https://www.nhk.or.jp/miyazaki/lreport/article/003/81/

自然の木や石、コケや花などで山の情景を再現し、ひな壇を飾るという雛山。家の中に飾られるひな飾りとは、ひと味もふた味も違いますね。

こうした雛山がまつり期間中、綾町の各所に設けられています。綾町商工会婦人部の皆さんも笑顔で迎えてくれました。

町のお店も、店先においしいものを並べて祭り気分を盛り上げていました。

綾てるは図書館は竹の中にひな人形を入れてライトアップする「ひな人形竹飾り」を行っています。外に飾られる雛山と違って、こちらは室内でこそ表現できる世界観ですね。

美しい雛山とともに、町の各所で子どもたちの笑顔に会える、綾町の雛山まつりです。

  • 滑川 和男

    宮崎局 アナウンサー

    滑川 和男

    宮崎は新人以来2度目勤務
    令和5年度で勤続30年

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