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Q35 自治体に空き家担当部署がなく、相談先がありません

クローズアップ現代で継続取材してきた『住まいの問題』。視聴者の皆さまからも数多くのお悩みが寄せられました。そこで今回、専門家協力のもと、2ヶ月の間お答えしつづける「お悩み相談マラソン」に挑戦します。今回寄せられたのは「空き家について自治体に相談しても『専門部署はない』と聞いてもらえない」というお悩み。NPO法人 空家・空地管理センターの専門家に聞きました。
(NHK『住まいの問題』取材チーム)

相談内容

自治体に相談しても、空き家に特化した部署はないと相談にも乗っていただけません。月に1回ほどしか家に帰れないことから、ご近所の方の不安軽減も兼ね、警備会社に依頼し火事など万一に備え対応しています。 相続はしたものの、どうしたらよいか悩みの種です。

(石川県/女性/53歳)

回答

“ 人手不足で手が回らない自治体も、今後は動きがあるはずです ”

解説

(NPO法人 空家・空地管理センター 上田真一)

自治体に相談したのに対応していただけなかったとのこと、心細さを感じられていると思います。ここでひとつお伝えしておきたいのは、自治体によっては空き家関係専門の窓口が現時点では存在しない状況は十分に考えられるということです。

空き家に関する業務は非常に多岐にわたります。にもかかわらず、少人数の担当者で対応している自治体は少なくなく、十分な対策が進められず窓口の運用まで至っていないということはありえます。ただ、今年成立した空家対策特措法改正により、今後は動きが加速していくかと思います。常に自治体のHPを確認しておきましょう。

さて、警備会社と契約して空き家の維持管理をされているのはとても良い対応です。人が住まなくなった家は近隣住民の方に大きな不安を与え、トラブルに発展する原因になります。「ご近所の方の不安軽減も兼ねて」という発想は、とても広い視野で物事を考えられているなと感じます。

ただし、空き家から発生する可能性のあるトラブルはそれ以外にも庭木の越境やゴミの不法投棄、害獣の繁殖などさまざまです。警備会社では対応できない場合もありますので、留意しておきましょう。

空き家の今後については、ぼんやりと考えていてもなかなか方針は定まりません。処分するのか、それとも利活用を含めて維持していくのかを決める必要があります。

基本的に、空き家を処分できない特別な理由などがない場合は、将来にわたって支払う必要がある維持費と、空き家の利活用で得られるであろう収益を比較して、「どちらがより得か」を数字で検討するのが一番わかりやすい方法だと思います。ただ、「思い出の詰まった実家を取っておきたい」というような、数字にできない所有者さんの主観ももちろん尊重すべきです。経済的な合理性を優先するのか、個人の思いや気持ちを優先するかは人それぞれです。

まずは相談者さんが今後どのようにしていきたいかを決めるところから始めてみましょう!

上田真一(NPO法人 空家・空地管理センター代表理事)
2013年 NPO法人設立。全国で空き家などの適正管理や利活用に取り組む。
東村山市空家等対策協議会副会長など、複数の自治体で空き家対策に関する協議会委員も務める。
『あなたの空き家問題(日本経済新聞出版社)』著者。
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