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あなたの町は大丈夫!? 2040年“高経年マンション”予測マップ

今年上半期、首都圏の1都3県で販売された新築マンションの平均価格は、過去最高を更新しました。その一方で深刻なのが、マンションの“老朽化”の問題。建物が劣化し、廃墟のような物件も現れ、住民だけでなく地域の問題にもなり始めています。そこで、今回日本各地でどのくらい“老朽化”は進んでいるのかを知る手がかりとして、予測マップを作成。あなたの町は大丈夫ですか?

2040年“高経年マンション”予測マップとは?

今回作成した「2040年“高経年マンション”予測マップ」は、国の調査(住宅・土地統計調査)をもとに、建物が今後も存続すると仮定して作ったものです。これは年数の経った “高経年マンション”(築40年以上)が、各地でどのくらい増えるかマッピングしたものです。

その結果分かってきたのは、県庁所在地など都市部を中心に、全国的に問題が広がっていくということです。国土交通省の試算によると、築40年以上のマンションは、20年後に現在の3.5倍の450万戸まで増加するとされています。築40年でも、きちんと修繕をしていれば長持ちしますが、管理を怠っていると設備や外壁などがひどく劣化してしまいます。中には、倒壊の危険があり、自治体が税金を投入して強制的に取り壊すケースも出始めています。もはやマンションに住む人だけでなく、地域全体に関わってくるこの問題。あなたの町にどのくらい“高経年マンション”が増えるのか、ぜひチェックしてみてください。 

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分析編:マンションだけの問題ではない

マップやデータから見える老朽マンションの問題を横浜市立大学教授の齊藤広子さん、
マンションみらい価値研究所所長の久保依子さんに聞きました。

―築年数が経った全てのマンションが危険ということではないですよね?

久保さん

何もしないで、40年ぐらい放っておくと、見た目も含めてだんだんぼろぼろになっていきます。給水管とか配水管といった設備系はだいたい40年くらいで一新しないとだめになってしまいます。


コンクリートは、最近建てられたマンションだと、きちんと修繕すれば、100年間保ち続けるとされています。ただし、古いマンションではコンクリートの寿命も、もっと短くなるとも言われています。

―詳しい調査を行っている東京都の場合では、築40年を超えたマンションの17.4%に当たる1,811件が、管理が行き届かない“管理不全”の兆しがあるというデータもありますね?

齊藤さん

東京はもちろん、全国に管理不全マンションが広がってきています。多くのケースでは、管理組合や修繕計画がない場合があり、必要なお金が積み立てられておらず、修繕がしっかりできていないということです。


40年間何も修繕せずに、コンクリートが落下してくるようなことがあれば、マンションに住んでいる方だけでなく近所の方も安心、安全に暮らせません。不安も出てきますし危険で景観も良くなく、大きな社会問題になっていくということですね。

久保さん

まだ新築マンションが、どんどん供給されていますので、これから人口が減っていく中で住宅が余ってしまって、老朽化していくマンションが増えていくと思っています。

対策編:“ピンチはチャンス”学び直しの時

久保さん

今、日本の中で建て替えが成功している事例というのは、全部で300ちょっとしかありません。成功している事例は、ほとんどが都心の一等地や駅前の条件の良いところに建っているものです。しかも建物自体を今よりも大きく建て直して、余った部屋をほかの方に売ることで建て替えの費用にあてられるというという、マンションだけが成功しています。


これからのマンションは、どんどん郊外に出ていって目いっぱいの大きさで建てますから、大きく建て直して余った分を売るということができなくなるため、どんどん厳しくなっていくと思っています。

―建て替えする場合、住民の負担金額は?

齊藤さん

最近の建て替え事例では、戸当たり2,000万円ぐらいの負担(2017年~21年の平均)。決して安くはありません。

―老朽マンションの他にも空き家の問題など、私たちの住まいを考える上で
どういうことが重要でしょうか?

齊藤さん

マンションや空き家の問題は、今の日本の制度が、人口減少・世帯減少時代に対応していないことから起きている部分があると思います。制度を見直していく必要があるのではないでしょうか。


ただ、その中でも頑張っているマンションもありますから、“ピンチはチャンス”という考え方で、地域の中で魅力的な住まいになっていくように、取り組んでいく必要があるのではないかなと思います。

―ありがとうございました。

この記事のコメント投稿フォームからみなさんの声をお待ちしています。

みんなのコメント(5件)

悩み
トオルちゃん
70歳以上 男性
2023年10月8日
管理組合は施設の管理も実際は管理会社におんぶに抱っこで任せきりで反面住民の福祉とコミニティ活動は町内会がしているので管理組合と町内会が上手く噛み合っていない。
感想
小出栄治君
70歳以上 男性
2023年10月8日
マンションは管理会社がほぼ管理しているはずですが、まったく、いまの問題が管理会社にある問題には触れられていないのですが、最下層マンション、生活保護のマンションをとりあげるのもよいですがなぜそこまで先のことも考えずにそうなったか、いまの予備軍には、国と管理会社の締め付け、脅かしのような突然プラチナ長期修繕計画を被せても絵に書いた餅の様です。マンション側にたって指導助言する、中年マンション支援課みたいなおせっかいのまえの支援組織があるとよいとおもいます、管理組合は管理会社にたいして素人集団なので、どうしたら正解なのか判らないままに貧乏マンションになっていくのを放置していくのをいまとめないと予備軍が一杯でイタチゴッコは止まらないとおもいます。評論はかんたん実務は大変です。
NHKでクローズアップしていただいたことは大変良かったです。深堀してほしいものです。
悩み
豚さん
70歳以上 女性
2023年10月8日
築35年5年毎に大修理をしているが後何年持つのか
悩み
ひばり
50代 女性
2023年10月8日
築35年、200戸を超えるマンションに住んでいます。100戸以上が65歳以上。マンションの裏は土砂災害特別警戒区域。
孤独死、飛降り自殺は35年の間に、3件ずつ。住民が管理組合に無関心。管理会社任せ。
2年前、一部の住民の意見で管理会社が変更された結果、フロントマンが助言、指導しないのか、総会議決権行使票は無視(総会出席者の意見で賛成票多数でも反対として決議されることが臨時総会含め2度も行われている)、決算は間違える(総会で間違いを発表)、予算の作り方も理解していない、管理規約さえ区分所有法に反して変更。それでも、住民が無関心な上に、理事会も無知なので管理会社の言いなりです。総会の決議が覆されたり、修繕積立金を、勝手に取崩しても、無関心、無知故に、何も言えない住民の意識改革が、2つの老いを抱えるマンションには、必須だと感じています。理事会活動に関心を持つようにする方法が知りたいです。
質問
ひろやん
70歳以上 男性
2023年10月8日
今 賃貸マンションに入ってますが築50年程経っています このまま今のところにいるつもりですが、他に変わる事を考えたほうが良いのかわからないです現在74歳です